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【時の狭間で】第3章『失われた時間』

第3章:失われた時間

現代に戻った真希が教室の写真を見ると、美帆子の姿がない。親友が消えたことにショックを受ける。

取り乱しながらも、美帆子が顔見知りになったきっかけを思い出す。そう、転倒する前に声をかけたことが変化したのだ。

真希は踏ん切りをつけ、美帆子の元へタイムスリップする。美帆子に出会った日に戻ると、教室で一人取り残されていた美帆子に声をかける。すると美帆子は「私を知っている?」と不思議そうに真希を見る。

真希は事情を正直に打ち明ける。「実は私は未来から来たの。あなたは大事な友達なんだけど、時間を変えてしまったらえって、その存在がなくなっちゃった。でも、絶対にあなたとまた出会いたかった。だから過去に戻ってきたの」

美帆子は驚きながらも、真希の真摯な思いに感動した様子だった。「そんな複雑な事情があるなんて...。でも、運命を超えて友達に会いに来てくれただなんて、嬉しいことだわ」

二人は改めて打ち解けていき、学校帰りに町を一緒に散策する。石畳の道やレトロな建物を眺めながら、自然と笑顔になる。その夜、真希は美帆子の家に招かれ、手製の夕食をごちそうになる。「また遊びに来てね」そう言う美帆子の笑顔が何よりのご馳走だった。

翌日、美帆子が転倒しそうになる場面が訪れる。真希はすぐに駆け寄り、美帆子の腕を支える。「大丈夫? 気をつけて」 美帆子は「あら、助かったわ。ありがとう」とほっとする。こうして二人の運命の出会いを取り戻すことに成功したのだった。

現代に戻ると、教室の美帆子の写真がある。心地よい安堵感に包まれる真希。彼女との大切な時間は失われることなく、確かに残ったのだ。

第4章:『時の狭間での決断へ』続く…

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