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時代

参道から枝分かれする一方通行の細い通り

1つ目の小さな交差点を左折すると

その洋食店はアンティークのようにあった

 

店内は、カウンター4席と、テーブル2席

清潔感と洒落た雰囲気に満ちていた

 

 

15年前

仕事場近くで、週に1.2回は通っていた

老シェフがリズミカルに腕を振るっていた

 

OLや近くに住むであろう主婦で溢れていた

小洒落た料理は、量は少なめで、美味しかった
ランチの価格は、手頃だった

 

 

10年前

仕事場が変わり、数年ぶりに訪れた

老シェフが首を傾け、腕を振るっていた

 

男性のスーツ姿や作業着の方で溢れていた

小洒落た料理は、量が多めで、おいしかった
老シェフを見て、大病をなさったとわかった

 

 

今年

久しぶりに、参道から横道に入ってみる

その店は、なくなっていた・・・

 

一瞬、道を一本間違えたかと思ったが、

間違えようがない場所であるのに気付く

 

店があった場所には、ネイルサロンがあった

空虚な時代の流れが、今日の風に吹かれた

 学習塾とまったく関係ない話である…

いや、私流の以下の著名な文の超現代語訳

(スミマセン、言い過ぎです)

 

「行く河の流れは絶えずして 

しかももとの水にあらず

 

淀みに浮かぶうたかたは

かつ消え、かつ結びて

久しくとどまりたるためしなし」

 

時代は回る

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