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ハトも おいらも ニューヨーカー

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運送屋のスティーブは、マッチョな大男。休みの日は、ピーナッツ持参で23丁目のマディソン・スクエア・パークに出掛ける。
スティーブを見て、ハトが集まってくる。10羽ではきかない。だからピーナッツもそれなりの量が必要だ。もちろんスティーブはわきまえている。

「もうお前は食べ過ぎだよ」。
「おっ、キミは新顔だな」。
一羽一羽のハトを識別しながら、ピーナッツを与えている。食事の済んだハトがスティーブの背中で遊びだした。

「カリッ」と殻を割る音。そして、羽の音。

スティーブは言う。
「こうして静けさに包まれるんだ。これが僕のリラックス法なんだ」。

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これは、また別の日のこと。

59丁目のコロンバス・サークル駅で、地下鉄を待っているハトを見た。ちゃんと、白線の内側に立って待っているところは、なかなかのものだった。ボクも、少し離れて ハトと並んで立って、地下鉄を待っている。ちょっと不思議な気持ちがしてきた。そこにCトレインが見えた。その時、「ああ、地下鉄、やっと来た」と言ったのは、さてさて、それはボク? それともハト?

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