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with 檸檬。


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何かの記念に。何かの証に。with コロナの日々の記憶を・・・。

それで、2020年9月初旬、檸檬の種を植えてみたんだ。

あれからほぼ300日。一粒の種の中に眠っていた可能性が、コロナの夜に芽を出して、コロナの夜に根を広げ、コロナの闇を吸い込んだ。ボクの不安まで引き受けて、これじゃあ、檸檬よ、おまえさん、ますますすっぱくなっちまう?

友は言った。希望を捨てちゃだめ。ボクは応えた。そうだね、上を向こう。パンデミックの世界はぐらぐら揺れた。それでも檸檬は健気に伸びた。観察してわかったこと。命は、規則正しくリズミカル。新しいはっぱは3枚づつ顔を出した。そんな檸檬の日常の何てたくましいこと、しなやかなこと。

朝が来て、夜が来る。日常という幸福の、意味を学んだ300日。64とはいかないけれど、目下、はっぱ 37。

今日、窓辺の檸檬は はつなつの空を映して、蒼い。

檸檬は何も言わないけれど、若葉のたなごころをぐんと広げて、凛としている。

2021年 6月17日。 そんなわけで・・・ボクは・・・with 檸檬。




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