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Uターン。荒野の風が恋しくて(6) ネバダ州立公園・バレー・オブ・ファイア。 ボクは、ここにいるよ。 どう思う?

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よく見て欲しい。ボクは生きているよ。ここは砂漠だから、限られた雨水はダイヤモンドより尊いんだ。それで、一粒も無駄にしないように心がけているんだ。根で吸収した後は、極力、蒸散を抑える。だからボクには葉っぱがない。

でもボクが生きていけるのは、ボクの手柄じゃないよ。ボクはそういう能力をはじめから持って芽生えたんだ。人間の言葉では、忍耐力とか耐久力って言うんでしょ。種の時のボクのDNAの中に組み込まれた設計図のおかげだから、自慢しちゃ、カッコわるいよね。

テレビの科学番組や学校の教科書では、「進化の過程で、この優れた特性が備わっていった」というような説明をするでしょ。確かに生き物は、環境に順応するっていうのは分かるんだ。ガラパゴス諸島のフィンチという小鳥は、自然環境に順応してクチバシの形が徐々に変化したそうだから。でもフィンチは、相変わらずフィンチのままだよね。

ボクは進化したのかなぁ? どうもピンとこないんだ。 なぜって、過酷な環境で芽が出た瞬間から、そんな悠長なこと言ってるゆとりは、ボクにはなかったから。ボクには、はじめから砂漠で生きられるような能力があった気がするんだ。そうなっていたような・・・。

この考え、どう思う?

ボクは、ここにいるよ。 ボクは・・・、ボクだよ。


注:この木は、ネバダ州ラスベガスから車で1時間ほどの所にある、バレー・オブ・ファイア(火の谷)という州立公園のトレールで写しました。

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