吹雪、にじむ 紅一点。ブルックリン橋・冬景色
「今日のような雪の日に歩く人なんてだれもいないだろう」。そう思いながらも、仕事でブルクリン橋を歩かざるを得なかった日の・・・写真。
案の定、橋の上には誰もいなかった。
寒い。吹雪。滑る。そんな災いが転じてシャッターチャンスになるなんて。
やっぱり写真の世界は偶然が支配しているように思えてしまう。
殺風景な橋の上を、自転車に乗ったメッセンジャーが、こちらに向かって走って来た。 彼も こんな日に 働いて いるのか・・・。
ボクはカメラを構えた。顔にもレンズにも、吹き付ける雪を感じながら、息を止めた。
自転車乗りのウインドブレーカーは、彼の心臓の鼓動で、ますます赤くにじんでいるかに見える。
紅一点 他に 色なし。
「カシャッ」。
二度と出会うことない景色が、止まった。この1枚のおかげで、フレームの中のあの日は、ボクにとって特別な日になった。
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