Uターン。荒野の風が恋しくて(3) ネバダ州、真夜中のセミの声に揺れて咲く花
砂漠の町の生活で初めて見た植物はいくつもあります。この花もその一つ。
陽ざしが強ければそれだけ、炎の火力が強まるように、花びらは燃えます。荒野の昼下がりに、風は死んでも、勢いよく咲き誇る。残念です。一度名前を聞いたのですが、覚えられませんでした。
砂漠の夏の3か月は、朝から40℃の日が続き、気温は夕方にピークに達します。それでかどうかわかりませんが、真夜中にセミが鳴くのです。ジーという声に包まれて、赤い花びらが熱風にそよいでいる。
この風情は、暑い日に熱い緑茶を飲んで涼を感じるのに、どこか似ているような気もするのです。