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眠れなくなる統合失調症

鳥の鳴き声を聞いて何を言ってるかわかったり、
生まれた時の記憶が蘇ったと言っていた娘。

その頃から、急に私に連絡する頻度が多くなり
カカオトーク(ラインのようなもの)で、夜中に話しかけてくることもあった。

そして、何かにつけ、「しあわせだ」「お母さん大好き」「本当にありがとう」そんな風に超ポジティブな言葉を連発し続けるようになる。

でも、心から湧き出ている言葉には感じられず、無理している気がした。

それから、今まで言えなかったことをいろいろ打ち明けてきた。
過去に自分が嫌だったことや、辛かったことなど、
せき止めていた堤防が崩れたかのように話しだした。

娘のいた国とは時差が4時間あったので、
韓国時間で夜の10時なら、向こうはもう夜中の2時だ。
そんな時間帯にも連絡が来た。

もともと家にいた時にも娘はいつも忙しくしていて
ゆっくり話したりする機会が多くはなかったので
そうやって連絡をくれること自体は嬉しかったし、
今まで溜まっていたものを話してくれているので聞いてあげた。

毎日こなさねばらなないことが多すぎて
気も休めないし、夜も眠れないと言った。

最初はその言葉通りやることが多くて眠れないのかと思ったが、
実は、統合失調症になると眠れない。
結局、寝ようとしても寝れないのだった。

本人はそれが病気の症状だと思っていないし、
周りも知らないので、
早く寝なさい、としか言いようがない。

私も更年期とともに不眠症に悩まされた時期があったが
寝たいのに眠れないというのは本当につらい。
ただ横になってるとああでもないこうでもないと頭の中が騒がしくなるので動画を見たくなる。
それで娘もいろんなYouTubeを夜な夜な見ていたようだった。

「おかあさん?」

と向こうの時間で夜中の3時4時にメッセージが来る。

「まだ、寝てないの?」
と聞くと、ベッドに横になってるけど眠れなくて音楽を聞いていると言う。

「おかあさんとこうやってメッセージのやり取りをしていると
おかあさんがそばにいる気がして嬉しい!」

寝ようとすると怖くて眠れないとも言った。

風の音も怖いし、木が揺れているのがお化けにも見えるし、
布団の隙間からお化けが入ってくるようで布団をすっぽりかぶっていると言った。

(木が揺れているのがお化けに見えると言ったのは
私に理解できる言葉に変えて言っただけで、
本当は「お化けが見える」と言いたかったのだ。)

そして、インスタグラムで世界の有名人と繋がっているんだと言い出した。
今となってはこれ(有名人と知り合いだと言う)も統合失調症の代表的な症状の1つなので理解できるが、
その当時、一体、何を言っているのかわたしにはさっぱりわからなかった。

そして、聖書の言葉や本人が悟ったことや考えなどをわざわざ毎日のように多くの人にシェアをした。インスタに載せるだけではなく、それを個人あてにメッセージで送った。

わざわざシェアしない方がいいと娘に伝えたが分かったと答えるだけでやめなかった。

何か娘の中に娘ではない人物が生きているような気がした。





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