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新聞奨学生ってこんな感じ
新聞奨学生の内容
始めに
新聞奨学生を初めて4年目の秋になった。就職先も決定しており、来年の春から社会人になろうとしている。つまりは、新聞配達のバイトも残りわずかである。
今回の投稿では、4年間を通しての実態と考えていたことを出来るだけ真実どおりに書いてみたいと思う。
今後、自分がやるかもしれない、あるいは、子供にやらせるかもしれない、という方には読んでもらって損が無いような内容にしたい。
しかし、先に断っておくが普遍的に言えることは恐らくわずかで、あくまで一つの具体的なケースとして読み取ってもらえればありがたい。これは重要なことであるから、何回か述べるかもしれないが、常に頭において読んで欲しい。
個人的な背景
まずは、ある程度の背景及びステータスのようなものを書いておく必要があるように思う。なぜならこれは具体性が鍵になっている文章だからである。
高校までは普通に生活し、家から通える大学を受験し失敗したので浪人した。浪人中に、本当に行きたいと思える大学が見つかったが、家からでは通えないので、一人暮らしする必要があるが、家からお金は出さないと言われた。国公立文系志望だったので、授業料は50万強だが、生活費を足したら大金になるので、どうしようか考えた。
そこで提案されたのが新聞奨学生であった(親族に経験者がおり、助言をえていた)。どんな制度かと簡単に言えば、新聞配達のアルバイトをすることで、そのバイトの給料に加えて、奨学金を頂けるというもの。もちろん給付であるから返済はない。具体的な金額等は後に書く。
当時は、望む大学に行きたいという欲求の方が強く、しんどい思いをしてでも行こうと思った。(後にも書くが、これに関して後悔は無い。)
そして、実際に念願の大学への入学と同時に新聞配達のアルバイトの生活が始まる。
大学のレベルは、中堅国公立という程度で、文系の学科。
詳しくは各社の募集要項を見てもらいたいが、理系全般はお断りだったような気がする。もちろん忙しさを配慮してのことだろうけど。
新聞奨学生をやっている顔見知りの方は数人いるが、私立の子の方が多い。それと、専門学生、短大生の割合も多い。性別的には男性の方が多いが、女性も全くいないわけでもない。
話を戻して簡単に言うと、ある文系の大学生が新聞配達をやっているということを押さえた上で業務と生活について掘り下げて書いてみようと思う。
業務編
奨学金の額とか、給料とかについて知りたい人は、生活編を先に参照ください。あるいは、各社の案内を見てみてください。
まず、私は国公立というのが、非常に幸運であった。学費が安いため、朝刊配達のみでまかなうことが可能であった。私立文系、専門学校であれば、年間100万以上するはずであるから、全額を自分でまかなうとすれば、朝刊+夕刊+集金業務、他雑務をこなす必要がある。他にお金の出どころ(両親ほかからの援助等)があれば、朝だけで済むと思う。
私は、朝刊業務のみなので、それだけを書く。
週6日の業務、1日の休み、というサイクルで1週間が終わる。
朝は、午前2時20分に起床(あるいは、徹夜で)、職場に着くのが2時40分くらい。
出勤時間は各営業所でかなりちがうことがある。それに、絶対にこの時間に来なければならない、というわけでもない。しかし、3時30分までに配達して欲しいという御客さんがいるため、少し余裕をもってこの時間にしている。
チラシを新聞に挟み、電動自転車に乗せて準備完了するのが、3時前。
それで配達が終われば、勝手に家に帰ってよろしいことになっている。
大体6時前には家に帰って来る。
雨、強風、何かトラブルやミスがあればもう少し時間がかかる。
これで1日が始まることになる。
6日間これを繰り返して、1日は行かなくてよい、というサイクルをずっと続けている。
では、業務を含めた生活はどうか。
生活編
まずは、お金の話を少し。
奨学金は、毎月3万5000、12か月で42万の計算。これでは授業料は足りない。
しかし、ボーナスみたいな奨学金が給付され、これが年間10万程度ある。
だから、1年で52万くらいは給付される。大学の学費がちょうど収まるくらいの金額である。足りない分は、自分で少し足すか、両親に頭を下げるかするかだ。
ちなみに、授業料は春と秋に半分ずつ払うわけであり、満額稼げるのは、後になるから、「先にお金が用意できない」という事態が発生することもありうる。その人は、会社に肩代わりしてもらって、返済という形で稼ぐことになる。利子とかは無かったと思うが、これに縛り付けられるという恐ろしい事態が発生するので注意されたし。なぜなら、途中でバイトを辞めるとしても払ったお金の分を返せということになるから、辞めようにもお金が無ければ辞めれないという状況が発生するから。
給料は、時給いくら、とかではない(もちろん内々で計算されているだろうけど、提示されるのは月給単位)。
毎月10万近く稼いでいると思うが、家賃・光熱費、定期券費等は、給料から天引きされるから、実際に手元に残って自由に使えるのは、6万くらい。
これが一般的に多いのか少ないのか分からないが、簡単に考えると、食費も併せて毎日2000円使用できる、という感覚である。それなりに節約して暮らせば問題ないはずだ。
私の場合は、お金のかからない趣味を持っているということもあり、生活費で困ったことは無かった。もちろん元々の貯金もあったこともあり、「かつかつな生活」という暮らしではないと思っている。お金も少しずつ貯めることができた。
奨学金も、給料も、朝刊に加えて夕刊、集金をやればもっともらえる。だがこれはもちろん時間との引き換えである。
お金の話終わり。
業務と生活の話に移行しよう。
先に書いたように、業務は6時頃終わる。そこから学校までは、学校の課題をやるか、本を読むかが多かった。ここで寝ると、寝坊することがあるから注意していた。結局学校で眠くなるのだが、とにかく単位を取ることが先決ではあったから。
文系大学生の授業の忙しさは、場所によっても違うだろうが、自分はそれなりに忙しい感覚だった。授業終わりに図書館で自習、夜に帰宅、という日々が多かった。授業終わりに友達と遊ぶ!みたいなのは割と稀だった。
単に卒業できればいいやと思っている人と、できるだけ色んなこと勉強したいという人の生活は異なるので、さぼろうと思えば、もっとさぼれるとは思う。嫌味っぽく書くが、勉強することは好きなので、人より沢山したいと思って生活していた。というかそのために大学に行っているのである。
家に帰ると、すぐに寝るか、寝れずに2時半になってしまうこともあった。4年間を通して、徹夜した日の方が多かったと思う。
無論、授業は眠たいが、空きコマで仮眠を取ったり、バイト後に少し寝たり(どうしても眠いときは寝たり)して調整していた。規則正しい生活からはかなり遠い生活であったが、高校の頃から乱れた生活習慣だったので、割り切っていた。
ご飯を食べる時間もバラバラ。自炊もするし、学食で済ませる日もあるし、帰り道に食べて帰って来ることもあった。自炊するときは節約思考で、友達と食べるときはケチくさくならないようにしていた。
「眠い日が多かった」、これに尽きる気がする。後は周りと変わらないと思う。
新聞奨学生をやっていて思っていること
利点と問題点
業務と生活について、どう思ったかは人それぞれであろう。
もっとしんどい暮らしをしてる人も、楽な生活をしている人もいることは分かっているが、自分と比べてどうかとかではなく、これからやるかもしれない人のために参考になればと思って書いている。
上の話をまとめて、あるいは書いてないことも含めて、利点と問題点(悩みどころ)を書く。
利点
とにかく、学費と生活費の問題が同時に解決するという点は大きな利点だ。どうしても大学に行きたい、けれど家に負担は掛けられないという人には魅力的だと思う。
他には、精神的に鍛えられる、自立した生活ができる、就職活動の時のネタになる、など。とにかく経済面での利点が一番。逆にこれで、給付金額が少なければやりたくはないよな。
問題点
とにかく眠い。
毎日基本的には眠い。それでも勉強したかった。
家事も最低限する必要がある。
一番いやだったのは、「自分は勉強したくてこの大学に来たのではなかったのか?」という気持ちになることだ。
わがまま言うなという思いと、なんで自分だけこうなのか?家から通えるところでもっといい大学があったかもしれない、選択を誤ったのか?という疑念がぶつかりあうこと、これに疲れる。
自発的に勉強したいという思いが強ければ、こんなアルバイトはしない方がいいと私は思う。それでも、どうしても現在通っている大学に行きたいと思っていたし、家を出たいという気持ちもあったし、勉強が楽しいと思えたからこそ続けられたと思っている。
大きな意味も無く、毎日深夜に働き続けるのはしんどいはずである。
とにかく最後まで、「これこれのためにやっている」という強い思いがあれば乗り切れるのではないかと思う。
最後に
冒頭でも述べたが、これはあくまでも個人的な話であって、募集している会社、配属の営業所によってかなり異なる。業務内容も、スタイルも全然違うということはあり得る。これは運だと思う。
ちなみに、違う営業所で働いている子の話を聞く限り自分はかなり恵まれた職場にいる。
しんどさは質的に異なるため、何がしんどくて、何はそうでもないか、やってみないと分からない面は大いにあると思う。
そしてわざわざ書かなかったが、毎日眠い、夜は働く必要がある、とすれば、何が考えられるか。例えば、友人との付き合いも絶好調でできない、友人とお酒を飲んで酔うのもはばかられる、泊りの旅行はなかなかできない等、これらが大きなストレスになる人もいるだろうから(ちなみに、自分にとってもかなり不満の種であった)、書いてあることから色々と推測されたい。しかし、今となってはいい人生経験だったと思ってます。
長々と読んで頂きありがとうございます
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