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科学的に見た、魚の最適な熟成手法①美味しさの最大化

本記事の概要2010年代からの肉の熟成ブームに続いて、魚の熟成が一時期ブームになったことがある。 また、ブームになる前から、すし屋や釣り人の間では、魚を寝かせることはごくごく一般的であり、私も以前釣り場でお年寄りから「イナダは一晩寝かせたほうが格段にうまいよ!」と話しかけられたことがある。 自分でも釣りをし、魚をさばく人間として、どのように魚を熟成させると美味しくなるのか、調査をしてみたいと感じたことが筆を執ったきっかけである。 魚は生で熟成させ、基本的には生で食するこ

    • ラッサムはなぜうま味がないのに美味いのか

      はじめに 先日、以下のQAがプチバズを起こしていた。 インド料理のコンテキストでは広く知られているイナダシュンスケ氏が、「ラッサムはうまみ成分※を含む食材の使用量が少ないのに、なぜおいしく感じるのか」という趣旨の質問に回答している質問である。 ※うま味成分:食材中に含まれるグルタミン酸やイノシン酸などの化合物で、食べ物の美味しさや旨みを引き出す役割を持つ。めんつゆをかけると全部うまくなるのはこのおかげ それに対し、イナダシュンスケは以下のような趣旨の回答をしている。

    科学的に見た、魚の最適な熟成手法①美味しさの最大化