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大学生が英単語帳を出版するということ

今月9冊目となる書籍『ビジュアルで覚えるIELTS基本英単語(ジャパンタイムズ出版)』が発売となりました。本を出版するということは辛いことのほうが多かったと今振り返っています。絶えることのない批判や誹謗中傷は、慣れていないと心が折れます。そして印税生活とか言われますが、執筆の時間を時給換算して公表したいくらいです。10冊目を出版する前に、これまでの波乱万丈な出版履歴を振り返りたいと思います。

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1冊目  PASSPORT〜75の英語語源単語帳〜

まず最初に本を出版したのは2009年、大学1年生のときです。高校2年の時に起業したこともあり当時地元の新聞やテレビに取り上げて頂き、そのタイミングで自費出版のお誘いが来ました。自費出版とは自分で費用を支払い、出版社に編集作業をお願いして、売れた分だけ自分に返ってくるという仕組みです。500冊自費出版した英単語帳『PASSPORT〜75の英語語源単語帳〜』が生徒が増えていたタイミングもあり、なんと2日で完売し、契約出版(著者として印税を貰う形での出版)のお話を頂きました。

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2冊目  PASSPORT〜150の英語語源単語帳〜

2010年に出版した2冊目の本、PASSPORT〜150の英語語源単語帳〜がベストセラーとなり、週刊朝日などで取り上げられどんどん売れていくのではというタイミングで出版社が事業を譲渡することとなりこの本は絶版となってしまいました。詳細は割愛!ちなみにこちらのメディアで紹介された当時の年齢は22歳ではなくピチピチの20歳です。

3冊目  過去問で覚える英単語スピードマスター

しかし3冊目は語学書大手出版社のJリサーチ出版から機会を頂き、2013年に大学受験生向けの学習参考書『過去問で覚える英単語スピードマスター』を出版しました。当時大学生で塾を経営して本を出版したことでネット上での匿名の(anonymous)誹謗中傷が顕著になってきました。当時流行っていたmixiというSNSで英語を教えて5000人規模のコミュニティーが出来上がっていましたが集団違反報告により退会させられ、悪口だけでWikipediaが出来上がり、Amazonには人格否定の誹謗中傷コメントが大量に寄せられました。今ではほとんどが削除されていますが、まだいくつか残っています。

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4冊目  中・高6年分の英単語Roots

そんな悔しい出版経験があり、ここからイギリスに3年間留学に行きました。イギリス留学の準備段階でTOEICや英語検定が世界基準でないことに気づき、IELTS(アイエルツ)という未知の英語能力試験に出会います。オックスフォード大学院とロンドン大学院の受験の最低条件としてIELTSが求められ対策を始めたことで、これまで自分が鍛えてきた英語力とIELTSで求められる英語力、そしてイギリス現地で必要とされる英語力を体感させられることになったのです。3冊目の辛い経験から3年後の大学院在学中の2016年、Jリサーチ出版から語源単語帳で初めてビジュアル重視&AR付きの『中・高6年分の英単語Roots』という語源の本を出版することになりました。このときもまだまだ批判は鳴り止みませんでしたが、この本は順調に売れていて、現在3刷となっています。

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5冊目  IELTSライティング完全対策

上記で述べたIELTSという未知の英語能力試験。僕の英語学習人生の中で最も苦労して悩まされたのがIELTSライティングです。これまで高校時代に偏差値80を達成したりTOEICでも900点超えをして僕の英語力は世界基準なのでは?と思いこんでいましたが、こてんぱんにやられ、どんなに対策してもスコアを伸ばすことが出来ず、結果的にライティングのみ8.0を超えることが出来ませんでした。最も苦手だからこそ、最も時間をかけたスキルなので7.0を超える対策は任せてくれ!という状態になり、IELTSの本を書くならライティングだと思い立ち執筆しました。留学中に出会ったIELTS9.0を取得したGovindiと日本人でIELTS8.5を取得したインターンの協力を得て7.0を超える超ハイクリティなエッセイを20作品をステップ・バイ・ステップの解説と共に掲載しました。『IELTSライティング完全対策』出版時のインタビュー記事はこちら!

6冊目 IELTS必ずでる☆単スピードマスター

IELTSライティングを乗り越え、そしてIELTSスピーキングで8.5取得した時に我武者羅にメモしていたのがコロケーションです。この本は実際に受験していた時にまとめていたコロケーションを10つの分野別に分類してそのまま掲載したコロケーション英単語帳です。

7冊目 IELTSスピーキング完全対策

IELTSスピーキングに関しては正直あまり苦労しませんでした。それは分野別の基本英単語とコロケーションをうまく組み合わせること、4つの採点基準を意識すること、これさえできれば7.0は余裕で超えます。指導してきた生徒も5.5から7.0超えというパターンが多くありました。『IELTSスピーキング完全対策(DHC)』はそんな5.5から7.0を目指すIELTS受験者が覚えるべき英語表現満載の本です。現タクトピアインターンリーダーが出演するIELTSスピーキング完全対策の購入特典が無料公開されていますので是非ご覧ください!

8冊目 アジアNo.1英語教師の超勉強法

2020年、この頃になると17歳の時に教え始めた当時小中高生だった教え子が続々と世界で活躍するようになります。そしてNHKおはよう日本でも特集して頂き、このストーリーを本にしようというお話を頂きました。アジアNo.1なんていう気取ったタイトルをつけるとまた批判を喰らうのではと懸念していましたが、本を出すということはそういうことです。

9冊目 ビジュアルで覚えるIELTS基本英単語

2021年、IELTSのスピーキング・ライティングで7.0を超えられない受験者に共通する基本英単語が適材適所に使えない問題を解決すべく、英語学習者が最初にマスターすべき基本英単語500語と実際にIELTSに出た表現やBBCで使われた表現を分野別にまとめた2000語を1冊にまとめました。2020の年末年始の全ての時間をこの本に捧げました。

総評

10年以上前に大学生のときにこの出版の世界に飛び込み、自分の企画を売り込み、批判を浴びながらもなんとか9冊を出版することができました。これは一人の成果ではなく出版に関わる全ての人との完全なるチームプレイです。これまで出版した本の中で構成・内容ともに最も気に入っているのは3冊目の『過去問で覚える英単語スピードマスター』です。この批判されまくりの本に対して先日嬉しいことがありました。それは東進ハイスクールの土岐田先生が慶應義塾高校でこの本を採用してくださっていた過去があったというのです。

本を1冊出版するというのは1年間週末を奪われる程の労力とプレッシャーがあります。そして1冊の本の出版に数多くの人々を巻き込むことになります。執筆を時給換算すると10円くらいではないかと思っています。そして出版社に企画を通すまでが最も大変なプロセスです。小さな積み重ねを繰り返してようやく本が出版されるわけです。最近、早稲田大学の大学生が出版した本に対して、当時僕がもらったような批判を受けているのを目にしてしまいました。僕は大学生が書いたとは知らずに購入していて素晴らしい本だと思っていますが、本の内容を評価するのではなく、この大学生の背景も知らずにAmazon等で批判する人は時代を超えて存在するんだな〜と感じました。心理学の本で批判する人は自分とって近すぎず遠すぎない存在の人であるという話を読みました。批判する人は意外に身近な人かもしれません。この大学生の今後の活躍に期待したいと思います。

目標

最後に目標を宣言して締めくくります。まずは批判や誹謗中傷は時代を超えて存在するということを理解します。そして10冊目の本は大学受験生やIELTS受験者といったように範囲を狭めず、誰もがほしいと思える本、つまり売れる本にしたいと思います。これまでどれだけ売れるかということは考慮せず、自分が書きたいことを書きまくってきました。誰もが買いたくなるような小さくて薄い本を出版します。(目指せ2021年に出版!)そして40歳までに30冊を出版します。英単語帳やIELTS本の枠組みを超えて、「英語教育」「幼児教育」「バイリンガル教育」など子育て世代に届くコンテンツを作っていきます。そして50歳までには50万部のベストセラーになる英単語帳『英単語研究』という本を出版します。ずっとお世話になっている編集者の方にこの本で恩返しをしたいと思っています。その準備段階で『英単語研究』という出版前のネタを配信するメルマガを始めましたので是非購読してください!またアジアNo.1って言うんかい!って愛のあるツッコミも理解します。

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