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A.B.C-Zという安定した幸せがそこにある「いつでも帰ってこれる居場所」

 みなさんは身の回りで「わたしエビ担です!」と高らかに宣言している人と出会ったことがあるだろうか.Twitterのオタ垢界隈にはそれなりにエビ担は多く見受けられるが,学校や職場などで偶然見つけるのは宝くじで15万当てるよりも難しいかもしれない.かくいうボクは,高校生のときに所属していた軽音楽部で,友達が組んでいるバンドボーカルの女の子がエビ担だったことがあり,デビューしたての時期ではあったが,一応リアルの世界で発見したことがある.けれども,それからの人生のなかでA.B.C-Zを1番にハマっている,またはジャニーズのなかでもA.B.C-Zしか追っかけない一途な人を見たことがない.

 彼らのことをよく知らない一般の人たちからの評判は手厳しいものが多い.やれ「ブサイク」だの「かっこよくない」だの「笑い声が変(ふみきゅん)」「華がない」だの割と今でも言われたい放題だ.最近ははっしー(橋本良亮)が週刊誌にすっぱ抜かれたのだが,あまりにも炎上がなさすぎて逆にその注目度のなさについて取り上げるという,メディア側も一体何がしたいんだと思ってしまう始末だ.

 先日ボクは「大人の数いらない系アイドル・ジャニーズWESTについて,大人の数多い系アイドルKing&Princeと比較して“WESTらしさ”を考えてみる」というタイトルで,自称「事務所にハマってない」のジャニーズWESTというグループの魅力について紹介したのだが,この「事務所にハマってない」というのは,一般の意見を聞く限りだとエビだってこの例外ではない気がする.WESTの外れ方とはまた違うけど.

 いくら部外者やメディアがエビのことをこけ落とすようなことを言ったり,見た目だけでの悪口を言ったりしてもボクはA.B.C-Zのことが大好きだ.今回の記事でボクは「A.B.C-Z界隈ってメンバーもファンもどちらも他のグループと比べて幸せなんじゃないか」という説を唱えたいのだが,まさにこの言葉通り,たしかに数字でいい評価を得られているのかというとまだまだな感じも否めないが,ボクの目には双方,人間的で幸せな時間を送れている気がするのである.ジャニーズで最も安定して1番幸せなグループA.B.C-Zについて考えていこう.

一般的なイメージの同意

 今回,このA.B.C-Zに関する記事を書くにあたって様々な検索をかけたところ,関連キーワードに以下のような項目が挙げられていた.

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 「かわいそう」「解散」「干され」「ブサイク」だの,やはり非ファンからすると彼らにはネガティブなイメージが未だついている.グループ活動が少なかったりあまり目立たなかったりすると「解散」というワードが様々なネット記事に登場するのだが,どうしてもそこまでグループを解散させたいのかボクにはあまり理解ができない.やはり,PV(ページビュー)を稼ぐためなのか??

 何かのファンになるにあたって「非ファン」→「にわかファン」→「コアファン」〜 といった感じで着実にステップアップしていくのが通例だ.誰もが最初は非ファンだし「よくわかんない」って時期も当然ながら存在する.

 ボクはA.B.C-Zに関して「コアファンです!」というのがだいぶおこがましいので,「にわか」と「コア」の中間あたりの位置付けだと自分ではそうみなしているのだが,彼らに対する一般的なイメージの全てを否定することはできない.もちろん一部例外はあるのだが,やはり「干され」や「ブサイク」に関しては全面的に否定できるかと言われるとあまり自信がない.

 セクゾやキンプリと比べると,エビもまだデビュー年的に若手の類であるのにもかかわらず,その風格はさながらベテランである.そして,いわゆる「顔面偏差値」はジャニーズにしては一定以上のそれがないということもボクには分かる.「アイドルを添えて番組を華やかにさせよう」とプロデューサーが考えたとき,A.B.C-Zという選択肢はきっと出てこないだろう.良い意味でも悪い意味でもA.B.C-Zは他のグループとは色々と異なるのである.

A.B.C-Zだからこそ与えられるボクらの視点

 ボクは彼らに対するネガティブなイメージというものは,過激なものは除いて,おおむね同意する立場を取る.特にかっこよさという観点でいうと従来のジャニーズ像におけるそれとは少し距離がある.

 しかし,「顔面偏差値」が低いからといって無碍に彼らの全体評価を下げていいのかと考えると,ボクはそうは思わない.何事も一長一短.顔の良いアイドルたちが揃っているのは一見「良いこと」としてみなされがちではあるが,何かしらの欠点だってあるに違いない.

 そんなA.B.C-Zだからこそ与えてくれる我々への視点というのは,ズバリ「純粋に楽曲・パフォーマンスを楽しませてくれる」という点である.あまり一般に知られてはいないが,A.B.C-Zには名曲といわれる楽曲がJr.時代のも含め,数多く存在する.ボクが特に大好きなのが「LET'S SING A SONG」「ボクら〜Love&Peace」「砂のグラス」という初期の楽曲をはじめ,デビューして以降の「Never My Love」や「Legend Story」「花言葉」「渚のBack In Your Heart」「雨上がりに手をつないだら」がある.この曲たちは誰が歌うとかまず関係なく,そもそもの歌詞やメロディーが本当に綺麗で純粋に心を打つ.

 これらの曲は例えばキンプリが歌ってもセクゾが歌ってもSixTONESが歌ってもきっと成立することだろう.彼らは非常に顔が超絶かっこいいのできっと曲の感じと相まって更に彼ら自身の持つかっこよさが表象されると想像するのはそう難しくない.

 ボクはA.B.C-Zのなかでとっつー(戸塚祥太)はめちゃくちゃかっこいい顔をしているな思っているのだが,彼は趣味・趣向が若干(てか超?)他の人と異なっているため,いつハメを外すか分からない爆弾を抱えているということもあり,とっつーのカッコよさを安心して享受できるのはPVや静止画だ.

 そうなると,先天的(生まれ持って備わった)要素に期待することはなくなり,彼らの努力や苦労によって得てきたスキルでもってのパフォーマンスと楽曲に期待することとなる.そのなかで歌われる名曲は,名曲たらしめる様々な条件が彼らによってボクらに対して純粋に伝わる.

 A.B.C-Zにオンチはいないので,楽曲そのものを楽しみたい,ぱっと見で分かるかっこよさの優先順位が二の次な人にはピッタリなのだ.

保護者ポジションとして活躍しているからこその独特な武器

 A.B.C-Zのメンバー(特に橋本以外の4人)は当時としては非常に長い下積み期間を10年以上過ごしており,Jr.たちが中心に活躍する「ザ少年倶楽部」の出演も非常に長かったことから,後輩の面倒を見ることも多くあったし,今でも「ジャニーズ伝説」という舞台や自身のライブでバックに後輩を就かせる.

 特にふみきゅん(河合郁人)と塚ちゃん(塚田僚一)の後輩絡みは本当によく見られるし,とっつーはテレビを見る上ではそこまでJr.と密な絡みを見ることはあまり多くないが,後輩からのエピソードのなかで彼が食事へ連れて行った話をよく聞く.

 ごっちやはっしーの後輩との絡み話を聞いたことが少なからずボクの記憶上ではほぼないのだが,グループでパフォーマンスをする際にJr.を就かせることも特に昔は多かったので,時々彼らが「Jr.みんなにとっての保護者」のように見えてしまうことがある.エビの周りにはいつもJr.がいて,彼らからダル絡みをされたり円滑に彼らのMCをまわしたりと,ボクが彼らのことを主に見てきた「ザ少年倶楽部」という場では5人でいるよりもJr.となんかやってるときのほうが断然長いように思える.

 そんな「保護者」のような彼らが,ひと度5人だけでステージ上に立ち,先述のような素敵な楽曲を歌うと,どうだろう,本来的なその曲における魅力が純粋に伝わると同時に,聴いてる人の横にそっと寄り添ってくれる感覚を覚えるのではないだろうか.

 普段は元気ではっちゃけた少年たちを温かく指導しつつ,良い感じにテレビに映るよう優しく仕向けている彼らが,A.B.C-Zというこの世界に5人しかいないメンバーが真剣に歌う姿は「顔面偏差値」という指標では測れない別の次元のかっこよさを放つ

 彼らにしか持ち得ないこの種のかっこよさを享受したときに初めて彼らの本当の魅力に気付くのである.

A.B.C-Zという安定した幸せがそこにある「帰ってくる場所」

 先に挙げた彼らをネガティブにみる検索キーワードを写した画像のなかに「a.b.c-z 干され」という文面があった.たしかに,まだまだ大ヒット作を飛ばせておらず,非ファンでも知っている彼らの代表曲というものも未だ存在していない.これまでの傾向を考えると「干され」だの「解散」というワードが出てくるのは意外なことではない.

 ただ,ボクは彼らのことを見つめてると,なんだかジャニーズのなかで1番人間的で幸せな日々を送れているのではないかと思うのである.彼らが周るライブ会場は軒並み他のグループと小規模ではあるのだが,毎年コンサートツアーは敢行されているしアルバムもリリースしているし,冠番組だってある.

 彼らの魅力をちゃんと知ってるファンに関してはマナーも良いし,彼らのファンが問題を起こす事例も聞いたことがない.

 嵐や関ジャニ∞,KAT-TUN,またそれより若い世代のグループはメディアに出る頻度も非常に高く,ドラマとかでも活躍しているため,多忙な日々を過ごしていることが容易に想像できるのだが,エビの個人としての仕事はだいたい舞台であるため,これもこれで忙しいけれど,ロングランではないために「それなりに忙しい」にとどまる.

 そう考えると,A.B.C-Zはどんなときにもゆとりと安定を感じられ,たとえポッと出てきた若手グループにこちらが少し浮気してしまっても,ほとぼりが覚めて帰ってきたときにはいつもと変わらぬ彼らが存在してくれている気がする.Jr.を温かく見守るような目線をボクらにも送ってくれる.プラっとよそへ寄って久々に聴く「雨上がりに手をつないだら」は涙なしには聴いていられない.

 興奮というよりむしろ"安心感"を与えてくれるA.B.C-Zというパーソナリティは,身のまわりにある不安定な世界を生き抜くボクらに安定した幸せを届けてくれる「居場所」のような存在なのである.


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