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狂おしいほどの寂しさ

震えるほどの闇。
身震いしながら今読んでいます。

柚木麻子さん著、
「ナイルパーチの女子会」。

「…条件が揃えば、ある型に収めさえすれば、
人の心は自分の思うように動き出すと思ってるよな、君。」
「根底のところで人を信じていないんだろう。
だから君に誰も近づかないんだと思うよ。」
 
商社で働くキャリアウーマンの
志村栄利子は、愛読していた主婦ブロガーの
丸尾翔子と偶然出会い、意気投合。
他人との距離感を上手くつかめず、
同性の友達がずっと出来なかった栄利子は、
初めての親友を手に入れた、と有頂天になる。
しかし…、

というお話です。
栄利子がですね…、
とにかく恐ろしい。
上の台詞は、栄利子が、職場の上司に
言われた言葉です。

ひょんな縁で知り合った、
憧れのブロガーの翔子が、
ずっとずっと、
欲しくてたまらなかった
「女友達」になる。 

栄利子から翔子への執着が
それは凄まじく、危険を感じて
距離を置く翔子。
しかし栄利子の執着は収まらず、
自分の思い描く「親友」の名のもとに、
翔子を手に入れようとする。
常軌を逸した行動、まるで
ストーカーのような方法で、
じわじわと翔子を
追い詰めていきます。

……………。
ただ、栄利子は、
心から笑いあえて、慈しみ合える
女友達が欲しいだけなのです。
狂おしいほど。
寂しくて寂しくて、たまらないのです。

相手を脅迫するような、栄利子のやり方には
とても賛同は出来ませんが。
けれど。
その、途方もない孤独感には。
既視感があるので、共感します。
寄り添いたいと思います。

だって私もそうだから。
上司が栄利子に放った言葉が、
私にも鋭く突き刺さっています。

私も、人との距離感を掴むのが苦手です。
栄利子のようにとまではいかなくても、
根本では同じようなことをして、
相手が離れていくことが何度かありました。
もう同じことはしたくないと
思っています…。

まだ読み途中なのですが、
衝撃がすごかったので、
つい書いてしまいました。
自分の過去をいちいち思い出して、
あいたたたた、と思いながらも…、
栄利子の行く末を、最後まで見守りたいと
思います。

この作品は、以前テレビ東京で
ドラマ化されていたようです。
ご興味がありましたら、
原作本でも、ドラマでも。

いろんな感情をまざまざと
思い出させてくれる、凄みのある
作品だと思います。
よろしければ、ぜひ。

🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟🌟

ここまで読んでくださいまして、
どうもありがとうございます!





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