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何を書くか

昨日の若菜明子さんの
トークイベントで
いちばん印象的だったお話。
何を書くか。

「旅の断片」「途上の旅」「旅の彼方」
若菜さんの旅行記。
私は若菜さんの書かれる文章が
とても好きでたまらないのですが。

昨日のお話を聞いて
その理由が少しだけ、
分かった気がしました。
若菜さんがおっしゃっていたのは。

「自分について書かない」
これです。
では、旅行記。若菜さんは
何について書いていたのか。

それは目の前の風景
出会った人達
出会ったものごと
それらをスケッチをするように書く。

風景の美しさ
花や葉や光や空がどんな形だったか
どんな色だったか。
出会った人達はどんな言葉を発して
何をしていたのか。

心が動いた言葉や仕草は
何だったのか。
それらについて書く。
自分の、外側の世界。

自分なんてたかが知れてる
狭くて小さな世界。
果てしなく広がる外の世界の全ては
どれだけ描いても尽きることがない。

この一貫している姿勢に
私はとても惹きつけられたのだなと
思っています。
「自分なくし」。

しかし。
どれだけ俯瞰的に書いたとて
出来上がった文章は
その人だけのものです。

なぜなら世界を書いたとして
それはその人自身の心の
フィルターを写し取って
描かれた世界だから。

否応なくその文章には
その人自身が溶け込んでいる。
その人だけの唯一無二のものに
なるのです。

何だか禅問答のようですが
こうして書かれた文章には
「普遍性」が宿る。
普遍性を宿した文章とは何か。

それは読んでいて
「あっ、この文章。私がまさにあの時抱いていた気持ちを言葉にしてくれたものだ!」
と思える文章のことだと思います。

本当に人の心をうつのは
こうした「普遍性」を
たたえている作品なのだと思います。
文章だけでなく、音楽や絵画
すべての表現行為において。

…なんて。
自分も若菜さんのような文章を
書いてみたいなと思いますが
「言うは易く行うは難し」。

「自分なくし」って…、
とても難しいことですよね。
まぁまぁ。

このnoteについては
あまり難しいことは考えず
気の向くまま風の吹くまま
気軽に書いていこうと
思っていますので。

でも、昨日のお話。
私が好きな文章の極意。
それはきちんと覚えておこうと
思いました。

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ここまで読んでくださいまして、
どうもありがとうございます!
























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