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永遠に触れる

ゆっくりと休んだので、
具合いは大分良くなりました。
昨日の午後は何も出来なかった分、
今朝は張り切って早起きです。

朝4時に起きて
身支度を整え、
大師様の御廟を目指して、
5時に清浄心院を出発。

どきどきしながら
奥の院のいちばん奥、
御廟を目指します。
清浄心院からは本当に
奥の院の入り口が近く、
歩いてすぐに向かえます。

澄み切った空気、
朝日が差し始めた青い空。
しんと静まり返った杉の木立の中、
黙々と足を運びます。

辺りは全て霊園、
お墓や供養塔、お地蔵様などが
びっしりと立ち並んでいます。
私の他は誰も歩いておらず、
聞こえてくるのは鳥のさえずりと
朝ですが、ひぐらしの声です。

1200年。
気が遠くなるような時間、
その間に大師様を慕って
集まった無数のいのち達。
お墓の数は20万だそう。

石造りの古いお墓。
長い時を経て、苔むしている
お墓もあります。
まるで遺跡のようです。

朝の静けさも相まって、
荘厳な雰囲気です。
本当に、「祈りの聖地」
なのだなあ。と、歩きながら
しみじみと体中で実感します。

と。左に現れたのは
「汗かき地蔵」様。
人びとの悪行の罪を、
その身に一心に引き受けて
いつも汗をかいておられると。

「いつもありがとうございます。」と
手を合わせてお祈りをします。
そしてまた出発。
中ノ橋が見えてきました。

橋を渡るごとに、
大師様に近づいていきます。
最後の御廟橋を渡ると、
そこからは聖域中の聖域なので
写真撮影等は一切禁じられています。

ここの立て札の、
断りの文章が素敵でした。
「大師様がお祈りをされているので
それを邪魔しないように、どうか
皆様もご協力をお願いいたします。」
こんな感じの、ひそやかなお願い。

なるほど、それじゃあ確かに
邪魔しちゃいけない。
私達の為に、ずっと
祈り続けている大師様に
私達もお力添えをするのだ。と、
敬虔な気持ちになります。

さて、ついに一番奥の
御廟に到着しました。
…が。あれ?
閉まってる??

昨夜グーグルさんにお訊ねしたところ
24時間参拝可能と書いてあったので、
そのまま素直に来ましたが。
やっぱり早すぎたかしら。

とりあえず、ぐるりと
御廟の廻りをめぐってみます。
すると。
お堂の真後ろに、
もう一つ小さな
お堂が見えて、その前に
お賽銭箱が。

周りにお花や
蝋燭も飾られています。
見上げると上にたくさんの灯籠、
お堂の回りも灯籠で囲まれています。
幻想的で神秘的な雰囲気。

大師様がいらっしゃる気がして、
丁寧にご挨拶をさせて
頂きました。
この聖地を作ってくださり、
そして私達をいつもお見守り
くださいまして、
本当にどうもありがとうございます。
と。

抱いていた気持ちを
お伝えすることが出来て
スッキリして。
さて、ともう一度正面に
戻ってみると、
あれ。

ひとりの僧侶さまが、さっきまで
閉じていた扉をひとつずつ
開いていらっしゃる。
今開場なのですね。

…ってことは、
あ、私今朝のいちばん乗りだ!
と、何とも晴れがましい気持ちで
こちらでもお参りさせて頂きました。

無数の灯籠の灯りが
揺らめく御廟は、
まるで夢の中にいるみたいに
美しく、この世のものでは
ないようです。

本堂地下にも、大師様が
祀られています。
こちらは、小さなお大師様の像が
いっぱい。ものすごい迫力です。

お隣にもお堂があったのですが、
こちらも無数の灯籠で
埋め尽くされていました。
その中をふわふわした心持ちで
練り歩きながら、ふと思いました。

私は今、「永遠」に
触れているのだ、と。
永遠。それは通常、
存在しないものの
例えの筆頭ですが。

私達の為に祈り続けている
偉大なる大師様。
そんな大師様を尊敬して崇め、
ここ高野山を1200年
守り続けてきた、
たくさんの人たち。
連綿と受け継がれ、重ねられてきた
人びとの祈りと想い。

祈り続ける大師様の為に
「生身供」といって、
一日二回お食事が御廟に
届けられているそうですが
これは1200年、一度も
絶えたことがないそうです。

これからもきっと、
ずっと続いていくのでしょう。
この毎日の営みを筆頭に、
年間通して絶え間なく行われる、
大師様の数々の儀式。
祈りを決して絶やさない、という
強いつよい意志の現れ。

それは身震いするほどの
眩しい「永遠」。
それはただの、
幻想なんかではなく。

ここ高野山に
祈りをつなぐ人びとの想いが
確かに永遠を目指して
存在しているのだと、
初めて高野山を訪れてみて
ひしひしと感じたことです。

今回予約していた
ナイトツアーを
体調不良でキャンセルして
しまったので、また機会を
見つけて再訪したいな、
と思っています。

あなたもいかがですか。
今年は開山1250年という
記念の年だそうです。
よろしければどうぞ、
お出かけしてみて、
永遠のひとつのかたちを
感じてみませんか。

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ここまで読んでくださいまして、
どうもありがとうございます!













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