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白黒以外にグレーがあっていい

私たち夫婦は、いわゆる学生結婚をしました。
私は大学を卒業して働いていたけれど、夫はまだ大学院生でした。

結婚した頃、”できちゃった婚”という言葉が流行っていた時代だったので、結婚を友人にメールで報告すると「もしかして、でき婚?」と聞かれることもしばしば。「経済的にゆとりがないから、安定するまで子供は持てないよ。」と返信していました。ちょっと寂しいのですが、結婚をあまり祝福ししてもらえませんでした。挙式もしていないですし。かけられる言葉は「大丈夫なの?」が8割。その言葉を投げかけたくなる気持ち、分かりますけどね。

職場の飲み会の席では、夫が学生であるということで「ヒモなんて別れればいい。」とか「学生なんて遊びなんだから、早く働かせなよ。」とか言われたい放題でした。

あまりの直球に言葉を失う

20代も後半になったころ、職場に若い女性が入ってきました。社会経験の浅さだけでなく、相手の置かれている状況を読み取る能力の欠けている子だったと思います。他の部署の女性と揉めたので配置転換となったらしいのです。おそらく上司は、私ならば共存できると踏んだのでしょう。

その子は彼氏と結婚したばかりで、ハネムーンベビーが欲しいと言っていました。若い子だし、そういう考え方もあるんだな、ふんふんと話を聞いていました。が、その子が私に放った言葉を忘れることはできません。

「○○さん(私)は、子供を産まないんですか?それとも産めないんですか?」

直球過ぎてすぎて、何も言い返せませんでした。言い返したとしても、私が日々抱えている思いの1ミリも理解できやしないだろうと思ったし、その労力も無駄だと感じたからです。

女性が乗り越えるものは沢山ある


今、ようやく女性の働き方や生き方を自由に選択できるようになって「ああ、時代は変わったな。」と感じます。でも、ちらほらと聞こえてくる育児休暇や生理休暇が、何となく取りにくいという話題。結局、女性の敵は女性なのだと思います。

ひらひらした短いスカートの母親を見てひそひそ噂話をしてみたり、女性らしい恰好をした母親がその場にそぐわないと非難する姿を遠巻きに見たことがあります。

確かに、子供に危険が及ぶような行為は避けるべきだし、TPOもある程度は考えた方がいいと思います。

ひらひらスカートのお母さんはもしかしたら、感覚がものすごく鋭敏で、ズボンが窮屈で苦しくて穿けないのかもしれないし、普段女性らしい恰好がしたくて仕方がなくて、たまたま一日だけご褒美として、したい恰好をしていたのかもしれません。何よりも、母親が笑顔で過ごす事は、子供にはいい影響を与える事だと思うのです。

どんなときでも心に留めておきたいこと

自分には理解できない人が居たとして、白黒の判断をすぐには下さずに取り敢えず様子を見てみる。その人の置かれている立場とか、どうしてそういう事を言ったり、行動をしたのかに思いを馳せてみる。その判断として白と黒だけでなく、グレーがあってもいいと私は思います。

女性だけの問題に限らず、どんなことにも、この思考のワンクッションが必要なのではないでしょうか。






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