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#135 松飾り

 

 里山は荒れていた。

 私は、正月の飾りに使う松と、朱い実についた小枝(私たちのところでは、ふくらそうとよんでいる)をとりに、近くの山に行った。

 私は、車から降り、急な山道を上り、山の中に入っていった。

 山道(獣道)には、あちこちに鹿の糞があった。何本かの倒木をまたいで、私は里山をのぼった。大きくなったヒノキの樹皮がシカに食べられて、立ち枯れしている木も増えていた。大雨や台風で、土砂の流れたところにも、倒木があった。遠くのほうから聞こえる獣の声は気持ち悪かった。
 
 私は、手ごろな松を剪定ばさみで切り山を上っていった。
 雑木林のところで、ふくらそうの木が集まっていた。私は、朱い実のついた、きれいな小枝を剪定ばさみで切りとった。
 
 松飾りの準備も終え、私はほっとした。寒波が来ていたが、山の中は暖かかった。
 
 @地域 14
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