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#217 山ぎわの田

 田植えが終わってしばらくして、私は、山ぎわの田んぼで米を作っている知り合いとイノシシやシカの被害(獣害)について話をした。

 イノシシやシカは、柵の修理不足のところや、柵に絡んだ蔓で、柵が弱くなっているところなどから、柵に体当たりをしたり、地面を掘って隙間を作り、田んぼに侵入する。

柵に侵入するためイノシシが地面を掘った場所


 田植え前には、柵や用水路を点検し補強する。獣害の被害が出ると、その都度補修する。放置すれば、被害が急速に拡大する。
 
 「獣害の被害が多発する田んぼでの米作りは、負担が多い。しかし、昔から先祖代々作ってきた田んぼだから手放せない。」と、知人は言った。「この山際の田が耕作放棄地となると、この田が、イノシシの安全な隠れ家となって、さらにイノシシが山から下りてくる。この田んぼを作らないと、もっと家の近くまで、イノシシが来る。」とも言った。

 結局、イノシシやシカには、田の畔草刈りや、田に水を入れるなど、人が田んぼで働くことと、根気よく柵を点検し、補強することが、現実的な対策になっている。

 外国からの侵略から領土を守るように、山際の田んぼを作ることは、山から侵略する、イノシシやシカなどから村を守っているように私は思う。
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