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感動を見る

こんばんは。物理的なもの世界観から、感動するという哲学的なお話まで思考が流れたので、その過程を皆様にお知らせしたいと思います。

モスキート音

モスキート音という言葉をご存知だろうか。

私たちが普段聞こえている音は、鼓膜の振動である。さらに言えば、その振動は、電気信号となって脳をめぐり、その人の解釈で、その人の音となる。

そして、その振動(周波数)には制限がかけられる。人間の聞こえる音の範囲、つまり、周波数の制限(可聴域)は20Hz〜20kHzとされている。

周波数の高い振動は、高音(とされる)、周波数の小さな音は、低音(とされる)に分類される。

モスキート音とは、そのような可聴域の中でも、非常に大きい周波数を持つ振動(音)のことを指す。モスキートとは、英語で蚊を指し、蚊の飛び回る音が高周波であることに由来する。人間の可聴域は20代ごろから狭まり、高周波であるモスキート音は徐々に聞こえなくなる。

音階

ここで音階という話もしておく。音階とは、よく知られた、ド、レ、ミのような、あれのことである。それぞれに対応する周波数が存在する。そして、周波数が2倍になると、1オクターブ高くなるのである。絶対音感、相対音感などと言われる人々が存在するが、彼ら彼女らは、それらの周波数の違いを繊細に聞き分けることおができるのである。

ここまで、軽い物理の知識で音というものを捉えた。

ちょっとつまずく

皆様の中にふと立ち止まった方はいらっしゃなかっただろうか。

『なぜ、皆、同じ音が聞こえているのだろうか?別の音が聞こえていても良いのではないか?』

私がいうのは、音の些細な変化を聞き取れるか、聞きとれないかの話ではない。

振動として脳に到達し電気信号に変換されたのちの、音という感覚が人間の中で必ずしも共有されているはずがないということである。

言い換えよう。

500Hzの振動が耳に届いたときに、500Hzに1対1対応する音Aを全人類が感覚し、

1000Hzの振動が耳に届いた時に、1000Hzに1対1対応する音Bを全人類が感覚しているのだろうか。

不思議な世界

不思議な世界を想像してみよう。

その世界では、警報の音は1.3kHzで振動しているとする。その世界に住むAさんは1.3kHzの振動をする音が、かわいい犬の鳴き声に聞こえる。Bさんは1.3kHzの振動をする音が、象の鳴き声に聞こえた。幼い頃から、1.3kHzの音が聞こえた時は、危険だと教えられてきたので、Aさんは犬の声がしたら身構えることができる。Bさんはゾウの声が聞こえたたら、身構えすることができる。彼らの感じている音は異なるが、それが現実世界になんら影響を及ぼすことはない。さらに言えば、1.3kHzの音(Aさんにとっては犬、Bさんにとってはゾウの声)は危険を知らせてくれているという、共通認識があるために彼らは協力しあって危険を避けることもできる。

話を現実世界に戻します。

私たちは同一の音(振動)を感じた時に、同一の感覚を持っているのだろうか。それは、わからないというべきだろう。私たちは、それを高いだの、低いだの、エモいだのと言葉にするのだが、どれも幼少期からの教育の賜物でしかない。絶対的な音というよりも、伝統や流行の中の流動的だが、一般化された相対的な音でしかあるまい。

これから考えうることは、私たちがある音を聞いた時に感動するかどうかは私たち依存であるということだ。いくら音楽を評しようとも、それは主観の域をはみ出すことはない。

これらは、音に限ったことではない、色(光)も匂いも痛みも感覚全てが、私たち依存である。わきゃー騒いだところで、あなたの感動のツボはあなたしか持ち得ない。

ただの願望

もし、あなたの脳を私の意識の宿る私の体に移植できたなら、私はあなたの感動を見ることができる。どうか、運命の人だと感じたあなたの感動が、僕の感動に近ければそれこそ、本当に運命だと思います。

ここまで書いて、なんだか昔にも似たようなことを書いたような気がしてきました。


**書いた人**
光苔太蔵:京都大学生3年目。ライブハウスと居酒屋とブックオフをこよなく愛する。人生で一番楽しい時間は、ライブハウス行って居酒屋行って、余韻に浸る瞬間。二番目はブックオフでビビッとくる本を見つけた瞬間。帰りはいつもスタバでコーヒーを買います。休日は物理と哲学と学生が主人公の小説。

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