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『愛なき世界(下)』ネタバレ注意

「たまに、思うんです。植物は光合成をして生き、その植物を食べて動物は生き、その動物を食べて生きる動物もいて……。結局、地球上の生物はみんな、光を食べて生きてるんだなと」

愛なき世界(下) 三浦しをん

小説を読んでいるときも、
ついつい「たべる」ことについての描写が気になる。
そして、メモメモ。
 
そうか。
私たちはみんな、光を食べて生きているんだ。

食べること=光をからだの中へ入れること

そういう視点で見てみると、
自分の存在も、もしかすると光なのかも??
なんて思ってみたりして。

やがて土に還り、植物たちの養分となる。
植物が光合成をする。それを食べて命がつながっていく。
そうやって、光が循環してこの世界が成り立っているのだろうか。

光があるところには、影がある。
影あるとことに、光あり。

この『愛なき世界』を読んで感じたことは、
愛のない世界を生きている、と感じていたとしても、
そこにはちゃんと愛があるんだっていうこと。
そこをちゃんと見つめる視点があれば大丈夫だっていうこと。

明けない夜はない。
光がなければ影もない。

三浦しをんさんの小説は、『舟を編む』を読んだときからかなり好き。
映画から入ったんだけどもね。
すぐに原作を読みたくなるくらい素敵な話で、今でも大好き。

光がない世界と感じるときも、
そこにはちゃんと光がある。

いつだって、表裏一体だから。

そのことを、しっかり思い出すことにする。
そうは思えないときこそ、思い出せるように。





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