問題解決より先に、悩んでいる状態を尊重して
現代社会では問題解決が最優先になっている気がします。不便なことを便利にするために多くの商品が開発され、悩んでいるくらいなら行動しろと言われます。
もちろん不便なことを便利にすることで経済が活性化することも、困っている人が楽になることもわかっています。悩んでいるよりも場数を踏んで経験を増やした方が、より速くより遠くに行けるという考え方も理解できます。
でもだからといって止まることが許容されないのは窮屈です。
悩むことは意味がないと言わないで
よくネガティブ傾向の人が悩んでいるときに、ポジティブ傾向な人がこんなことを言います。
「そんなこと考えてもしょうがないよー」
私はいろいろなことが気になって悩むことが多いタイプなので、よくこの言葉を言われます。
でも考えちゃうものは考えちゃうじゃないですか。過去のことを掘り起こしてイヤな気持ちになったり、未来をことを心配したり、今の自分に劣等感を抱いたり。
ポジティブな人から見たら「なんでそんなに悩んでいるの?」と思うかもしれない。でもやめろと言われても考えてしまうんです。
悩んでいるときは苦しいですが、なんだかんだその状態を味わうのが好きなのかもしれません。
だからあまり悩まないタイプの人は悩むタイプの人に「悩むことは意味がない。時間の無駄」とは言わないでほしいです。悩んでいる人が自分を否定された気持ちになってしまうかもしれないからです。
悩む時間は尊い
よく考えてみると悩む時間って尊いのではないでしょうか。立ち止まって自分としっかり向き合って答えを見つける。そういう時間があると自分の人生を自分で歩んでいる満足感が湧いてきて、少し自分に自信を持てる気がします。
またときには自分1人で悩むのではなく、ほかの人に悩みをシェアすることも必要です。解決してほしいから話すのではなく、ただ聞いてほしい。そうやって自分の想いを打ち明けることによって、心がスーッと軽くなることもあると思います。
先日むしょく大学で「海辺でのんびりお話会」というイベントを開きました。そのイベントではこちらから何かを教えるようなことはせず、参加者同士で今モヤモヤしていることなどを話してもらいました。
このイベントがあったからこそ解決できた問題はなかったと思います。でも言えなかったことを言えてすっきりしたり、同じように悩んでいる人の存在を知って勇気づけられたりすることはあったのではないかと思います。
だから私は今後も、このようなゆるい場を作っていきたいです。解決が正義ではない。悩んでいること自体がちゃんと尊重される場を。
最後に、大事なことなのでもう一度。悩んでいる時間も大事な時間なんです。どうか解決ばかりに目を向けるのではなく、悩んでいる人、悩んでいる状態も尊重してほしいです。
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