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「1歳のときから、家の近くを通る池上線の電車を見てた。」 -『かわる! いけがみえき』著者 佐瀬 健太朗-

現在制作中の、東京都大田区池上という街にまつわるエピソードを
さまざまな人に聞いたZINE。
その内容の一部を、noteで公開します。


この街のことは好き。理由は、なんかレトロだから。お寺とか、五重塔とか、古い建物とかがいっぱいあるのがいい。一番好きな場所? うーん、今の駅かなぁ。建て替えられたばっかりで新しいけど、なんかレトロな感じがするんだよね。建物の色が木っぽい色だからかも。


建て替えられる前の駅が大好きだったんだけど、今の駅も好き。前の駅だと1階建てで、構内に踏切があったじゃない? 踏切を超えないと片方のホームに行けないつくりになってたから、たまに電車に乗りに駅に行くと構内踏切がしまって、目の前に電車が来てるのに乗り逃すことあったんだよね。今は構内踏切がなくなってそういうことはなくなったから、それはよかったと思う。

あと妙見堂っていうお寺も好き。あのあたりでいつも遊んでるから。あそこ、「子ども遊び道路」って看板が置いてあってね。あんまり車通らないし、人通り少ないし、安全だから遊ぶには最適。よくブレイブボードで遊んでるんだけど、この前あそこで裸足でやったらめっちゃ気持ちよかった。

あとは「ゴチョコ」にもよく行く。「ゴチョコ」って、池上五丁目公園のこと。僕たちが前住んでた家があったところの目の前で、遊具がいっぱいあるんだよね。踏切も近いし。

電車好きになったのは、踏切のカンカンっていう音を聞きながら育ったからかも。今はこの街のなかの別の場所に引っ越しちゃったけど、もともと踏切からすぐのとこに住んでて、生まれてすぐのときから踏切の音は聞いてたと思う。

電車が好きになったのはたぶん2、3歳の時かなぁ。はっきりとは覚えてないけど。お母さんが言うには、1歳のときから、家の近くを通る池上線の電車を見てたみたい。池上線とか知らなかったから、最初はなぜか「トウキュウゴタンダ」って呼んでたみたいだけど。

もうちょっと大きくなってからも、踏切が散歩コースの途中にあったから、出かけるときは、いつも行き帰りにそこで電車を見ていたんだって。


今でもいろんなところで電車見てる。家から1kmくらい歩くと、「車両検修場」っていう電車の車両基地があるから、夜にそこまでお父さんと散歩して、電車が入ってくるのを見たり。

小さい頃は新幹線とかも好きだったけど、最近は、どちらかというと、池上線とか京急線とかかな。京急線は特に好き。週末によく乗りに行くんだ。


京浜東北線とか東海道線が走る音も、池上から聞こえるよ。線路はずっと離れてるけど。え、聞こえない? 僕には聞こえるんだけどね。「電車の音は絶対聞く」っていう気持ちが強いから、遠くても聞こえるんだろうね、きっと。

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