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Life Stories.

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人生の物語をまとめたインタビュー集です。
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#働き方

手を繋ぎあえば、人の可能性が花ひらく。20年コミュニティに関わり続ける中島明さんが、コミュニティより大切にしたいこと

近年、コミュニティマネージャーと名乗る人が増えてきた。 中島明さんはフリーランスとして独立した2010年から、さらにいえば2001年に社会人になってからも、広い意味で言えばコミュニティづくりに関わるような仕事をしてきたので、もうその道20年。コミュニティづくりを仕事にする存在のはしりといってもいいだろう。 数々のプロジェクトに関わってきた中島さんだが、最近では「コミュニティ」という言葉と、自身の活動に齟齬を感じるようになっているという。そんな中島さんに、これまでの歩みを振

「大切な人に想いを伝えられなかった」という後悔を、誰にもしてほしくない。だから、絵本をつくるんです。-itoha代表 有賀ひとみさん-

大切な人に、伝えられなかった想いはありますか? 「いつもそばにいてくれて、ありがとう」 「実は小さいころ、こんなつらい経験をしてね」 「あのとき、傷つけてしまってごめんね」 そんな想いを伝えたいと気づいたころには、その宛先となる彼や彼女は自分のそばからいなくなっていた-- ふりかえれば、私はそんな後悔をくりかえしてきました。 もしかしたら、これを読んでいるあなたも、そんな後悔をかかえているのではないでしょうか。 オーストラリアで長年緩和ケアの仕事に取り組み、数多くの患

“何者か”になれなくてもいい。わたしは私。 会社員を辞め、移住10年を経て三星千絵さんが気付いた、人生で大切なこと。

「30歳くらいの時期って、人生に迷うよね」 三十路をちょっとすぎた年齢になって、友人たちとよくそんな話をするようになった。僕自身、30歳のちょっと手前で「これからどう生きていこう?」と悩んでフリーランスになった経緯があるから、「迷ってたなぁ、あの時期」なんて、しみじみ思う。 キャリアデザインの文脈では、20代後半から30代前半にかけて、つまり人生の4分の1を過ぎた時期に訪れる人生への焦りや停滞感を感じる時期ことを、「クオーターライフ・クライシス」と呼ぶようだ。 しかし、

15年間、口にできなかった夢。肩書きを捨て挑んだら、命の実感が湧いてきた-シンガーソングライター・はたなかみどりさん-

“そのひとこと”を口にしてしまったら、それまで生きてきた世界には引き返せない。そんな言葉が、僕にもあなたにもあるはずだ。 その言葉には、夢とか、目標とか、肩書き、とかいう名前がついていたりする。もしかしたら、想いをよせる人への告白という名前かもしれない。 胸に手をあてて、“そのひとこと”を誰かに伝える自分を思い浮かべてみる。 すると、僕の手はじわりと汗ばんでくる。心臓がどきりとして、息はすこしくるしくなる。 一度“そのひとこと”を発すると、まるで大きな川に足を踏み入れ

「まわりの視線が怖い。」そんな生きづらさがあったからこそ、できることがある。-尚工藝代表・宮田尚幸さん-

「生きづらさを抱えていた僕でも、今こうして社会に関われている。生きづらさはかるくなる、ということを伝えたいんです。」 デザイナー・宮田尚幸さんとメールでやりとりするなかで、そんな言葉と出会った。 「生きづらさ」には、僕も心あたりがある。大学時代、人の視線がこわくて、就職活動はおろかバイトもできず、ニートになった。病院に行くと、「社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)」と診断された。(今でも、人前に立つと汗がダラダラ出てしまうのはその名残りだ