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JAZZ MENの顔とその時代的考察 (JAZZ ESSAY 2)

Duke EllingtonやLouis Armstrongが生まれたのは1900年ちょうどだから,19世紀の最後の年に2人の巨匠が生まれた事になる。その年はまた,パリのル・オテルの25号室で,オスカー・ワイルドが亡くなっている。時代が変わって行くのを象徴している年であった。今から106年前の事である。そう,JAZZの歴史はまだ,100年あまりなのである。しかしたった100年の間に、JAZZMEN の顔が変化して,いや、進化してしてきている。顔で言うと、ルイ・アームストロングや、アール・ハインズ、キャップ・キャロウェーなどはエリントンより前の世代の顔をしている様な気がします。次がエリントンの同時代の顔です。これにはジョニー・ホッジス、コールマン・ホーキンス,それにベン・ウェブスターがはいります。この時代には偉い顔をした人が多い時代です。クラシックの世界でも、トスカニーニやフルトヴェングラーの時代です。オットー・クレンペラー等は顔だけでなく名前まで立派そうです。やはり時代の空気が顔をつくって行くのでしょうか、まさに、巨匠の顔の時代です。しかし、僕はいつも思うのですが、どう考えても、どう、想像しようにも、ベン・ウェブスターの幼稚園時代の顔というものが、イメージできません。彼はその頃でもきっとサスペンダーなどをして、葉巻をくわえていたように思えるのです。全く、昔のJAZZMENは大人でした。そしてその時代の次に来るのが、チャーリー・パーカー、バド・パゥエル、ケニー・クラーク,モンクやコルトレーンもここに入ります。マイルスも本来、ここに入るはずですが、彼の顔はもっとモダーンなのです。その後に来るのが、ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムス、ゲイリー・バートン達です。どうです、彼らの顔は、知的で、(といってもその前の人達が知的でないという意味ではなく)クールな感じがします。彼らの時代は、文学の世界も全く不思議に知的でクールなのです。フランス文学のこの時代はまさにそうです。さて、その次の顔の世代で、JAZZMENの顔に、革命が起こります。チック・コリアとキース・ジャレットの登場です。ここでジャズは姿形を変えました。ジャズのグローバル化が始まったとも言えるでしょう。全くここで、JAZZMENの顔の系譜が断ち切られる事になったのです。彼ら以降に登場して来る、JAZZMENはもはや、僕にとって、JAZZMENではなく、MUSICIANになったような気がします。そして、JAZZMENを絵に描いたような、Milt Jacksonが亡くなり、Ray Brownも亡くなった、今、Oscar PetersonとKenny Burrellが亡くなったら、もう、ジャズは、いや、jazzmenの顔は絶滅になります。しかし、Eivin JonesやCharlie Paker,Dizzy Gillespieとなんていとおしい顔をしていたのだろう。もう、2度とあんな顔に会えないと思うととても寂しい。

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