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怨恨と執念/にじさんじ「アクシア・クローネ」

今日出たばかりのニュースで話題にもなっていたので他の記事を後回しにしてこれについて軽めに書いてみようと思います。

公式CHのではなく軽く編集の入ったこちらを貼り付けます。字幕もありますので。

こちらは今回の件でのANYCOLORの対応方針の概要発表になります。


■ポイント

1:誹謗中傷等への対応による休止
2:ファンの人は心配せずに待ってて欲しい
3:不満の吐露

この3つに分かれる感じかと思います。

どうしてこうなったのかというざっくり経緯ですが

こちらの記事が本日に至るまでの細かい部分はカットしているものの凡そ理解できる感じで纏められています。
記事内の当該の動画はこちらです。開始位置からリンクしています。


■個人的な感想

本記事全体を通して、あくまで僕個人が今回の件を見てどういう印象を持ったのかというものになります。

今回の休止発表の動画の上記3点挙げた「不満の吐露」部分はこういった構成になっています。
・一部気持ち悪いと感じるリスナーが存在する
・本来やりたかった配信と現実は違った
・母親面するのはやめてくれ
・そういう気持ち悪いリスナーは離れてくれ
・でも離れてくれない
・どうしたらいいんだよ
・俺のチャンネルにそういう人は存在して欲しくない
・それでも俺の配信を見たいなら頭の中で思うだけにしてくれ

アクシアさんのファンの方が見ると「よく知らない癖に何だ」と思われそうですが、あまり知らないので逆に客観的に見て上記の様に感じました。

個人的にはアクシアさんはにじさんじのイケメン系男性ライバーという括りの中では配信者として不向き、或いは相性が悪かったように思います。ですがその括りの中だからこそ入ってくる収益や得られる知名度や地位や多くのファンの数もあり、辞める又は転生するといった選択肢を選べなかったのかもしれません。今回休止という選択を取ったのもそういう事なのかもしれないです。
上記で挙げた様な不満が我慢できないのであれば、辞めて個人で活動するという選択肢もあったかと思います。


動画の心情吐露の冒頭で初配信の時から思っていた事があると話しはじめます。初配信のAPEXの時から「かわいい」コメントに寒気がしていたと。
これについては正直制御するのは不可能に近い事だと思います。僕自身VTUBERの配信を見ているので感じますが、熱心に、夢中になるファンというのは誰かに注ぎたい愛情をVTUBERであったり、アイドルであったり、著名人であったり、それが許されると思われる対象に注ぎます。

例えば女性であれば男性に対して、子供に対して、かわいいというのは愛情表現であり、愛情を注いでいる事が実感できる事を表す言葉です。よく言われるかわいいは何にも勝るというのも同じで、女性が愛でる対象に「かわいい」というのは呼吸をするぐらい当たり前の事です。

そういう意味ではアクシアさんは女性というものへの理解が浅かったとも言えます。不思議なもので、そういう理解の浅い所も好きな相手であればかわいいと思えるのが女性であったりもします。つまりあれをしてもかわいい、これをしてもかわいい、動いたらかわいい、話せばかわいい、そんな感じです。そういう深い愛情が本質的に備わっているからこそ、ホストという商売も成り立ちますし、推しの為にスパチャやグッズの購入も惜しまないという部分があります。

これでにじさんじの男性ライバーに「かわいい」などのコメントがしづらくなる空気が生まれると、他の男性ライバーも多少なり割を食う事もあるかもしれません。


アクシアさんが成りたかった配信者はどちらかというと現在のにじさんじの男性アイドルライバーではなく、ストリーマー系の配信者だったのかもしれないですね。


■繰り返す「言ったよね」の言葉

ここからは憶測の領域になります。
アクシアさんは他の切り抜き動画などを見てもよく「言ってるよね」「言ったよね」「注意してきたよね」という言葉を使用します。これは自分がこれから行う事や行った事の正当化をアピールする際に使用する言葉です。また、悪いのはこちらではなく貴方だよねというのを主張する言葉です。

アクシアさん自身、これら一連の騒動の中で他のライバーや運営に対して迷惑をかける結果になっている事に対して思い悩み、心のどこかで自身に誤ってしまった部分があったのではないかと思う所があるのかもしれません。その為自身のメンタルを守る為に自分はやるべき事はやって言ってきたという主張が都度出てしまうのかと思います。


■本質的な部分の考察

なぜ今回の様な事が起きた、ここまで発展したのか?


決定打になったのは上記リンク記事でも貼った、ファンを化け物と言い切ってしまった事の様な気がします。細かく見ていくとそれに近しい発言も度々注意喚起という体で発信されていたと思います。

「可愛さ余って憎さ百倍」
という言葉があります。
それまで愛情を注いでいた分、それが裏返ると激しい憎悪に見舞われるというものです。

現実世界でも元恋人、元妻、元夫、といったそれまで愛情を注いでいた相手を憎んで殺傷するという事件は日々起きています。

基本的にVTUBERやアイドルへの愛情というのは一方通行です。
ファンの気持ちに対してYESもNOも発生しません。これはルールという訳ではないですがYESにせよ、NOにせよ、発信するリスクが余りに高すぎるからそれを誰も口にしません。
けれどアクシアさんの場合はそれを余りにハッキリと発信しすぎたように思います。

通常荒らしなどは愉快犯的なものが大半で、明確な怨恨怨嗟を持って活動する者は極少数に限られますし、モチベーションが続きません。
ですが愛情を注いできた対象から明確に拒絶された場合は怨恨怨嗟に執念が伴ってモチベーションも絶える事無く活動し続けます。


また、アクシアさんの場合元々性質的に潔癖な部分があったのかもしれません。上記の動画で絵文字に対して許すことが出来ず一人をBANしてしまっています。個人的にはわざわざコメント欄を遡ってまで一人をBANしなくても良いのに、そのBANされた人から買う怨みのリスクを取ってまで、と感じました。例えば潔癖症の人が、そこまでの労力をかけてまでそんな細かい所まで綺麗にしても時間の無駄という事が我慢できないのと似ています。

そういう意味ではリスクや危険に対して鈍感だったとも言えます。

決定的なのはそういう一部のアクシアさんが容認できないファンを遠ざける為に、ガチ恋やそういう視点で見ている全ての人を拒絶する行動になってしまっていた事があります。これが荒らしや誹謗中傷をする人の絶対数を跳ね上げてしまった様に感じます。
今回の休止動画でも
「リア恋も腐女子も俺は好きじゃない」と発言しています。
大人しく節度を守ってアクシアさんを応援して推していた、リア恋の人も、腐女子自覚のある人全ても拒絶してしまっています。

ホロライブを見ている人であれば、ホロライブで置き換えればホロメンが
「ガチ恋してる人も、オタクも私は好きじゃない」と言っている様な感じで想像するとわかりやすいかもしれません。
そう考えると今回の休止発表の動画で余計に拗れる火種を残していったと見る事も出来ます。運営から言わない方が良いと止められているけど、と前置きしていますのでANYCOLORはそのリスクを把握はしているでしょう。ですが明確に禁じなかったのは良くなかったと思います。


愛情を敵に回す事が、世の中で最も怖い事のひとつでもあるので。


あくまで僕個人の意見でこう思った、というものですが、アクシアさんはアクシアさんで動画内で自身が言っている様に「頭の中で思うだけにして」おけば良かったのではないかと思ってしまいます。

にじさんじのイケメン男性ライバー(アイドル)という括りの中での活動でなければ何も問題はなさそうなのですが、立ち位置の相性が最悪でした。
火種というか要因は作ってしまったものの、恨みを買って攻撃された被害者というのが客観的に見ている僕の結論です。

■ANYCOLORは何故今回の対応に乗ったのか

本来であれば熱心で狂信的なファンの方が多くの利益を生んでくれます。そういったファンに対して釘を刺す様な今回の対応は一見デメリットの方が大きい様に見えます。
ですが結論から言うと所属するライバーに対して会社はきちんと対応するという姿勢を示す事での今後の離脱防止の効果の方を選択したのかと思いました。


■終わりに

今回の件はVTUBER、配信者にとっては学ぶべきところが多い件だと感じます。ファンやリスナーとの距離の保ち方、発信してはいけない言葉、態度等。また、ホロメンでこの話題に触れるのはよくない流れに突入しそうですね。この件に触れる事で発生する質問やコメントが余計なリスクを誘発しそうです。


追記 8/19

こちらの件予想以上に色々なメディアで取り上げられた様でYahooニュース等でも出ていた様です。Twitterのトレンドにもあり、そこでのコメントで確かにというものがありました。

内容的には、男性側も消費される立場になって初めて気付くのかというものでした。

確かにこれまで例えば女性アイドルなど、男性側から性的な目線で、敢えてそういう言い方をすると消費されるという構図でした。彼女ヅラ、母親ヅラが性的消費かというと語弊がありますが今回はアクシアさんが気持ち悪い、寒気がするという事を言っているので内容は近しい様に思われます。

ファンビジネスの多くに言えそうですが、そういう部分に目を瞑るというのは波風を立てないひとつの手段です。正しいか悪いかは置いておいて。

ただ今回の件のひとつの側面として、男性側が消費される側にまわって、それに対して声をあげたという事例なのかなと思いました。性的でもないですし許容範囲かと客観的には思いますが。

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