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昔、ホッカイドウ競馬のコラムを書いていました。

もうずいぶん前のことなんですけどね。ホッカイドウ競馬が存続議論に揺れている時期があったんです。
今でこそ、インターネットによる勝馬投票券(馬券)の全国発売が普及しまして、各地方競馬主催者の経営状況は比較的好調となっていますが、当時はあちこちで廃止議論が噴出し、実際に廃止に追い込まれる競馬場も出てきてしまっていました(個人的にはこれを昔話と呼べるほど、競馬歴が浅くはないわけですがね)。

この向きは日本における最大の馬産地である北海道も例外ではなく、ホッカイドウ競馬(道営競馬)でも1992年以降からは単年度収支は赤字に転落しており、毎年、一般会計から資金を繰り入れて運営するという状態が続いていたたことから、存廃議論が起こっていきました。
そんななか、2001年から赤字脱却に向けて、競馬事務所と軽種馬振興公社事務所の統合などが行われ、新体制で動き出すことになったわけです。

その時期に結成されたのが北海道競馬運営改善対策室でした。
サポーターズクラブを核とした、積極的な「ホッカイドウ競馬のファン」づくりを進めるとともに、新しい形の競馬コミュニティづくりが行われていきました。
その時に用いられたツールがインターネットです。「がんばれ!ホッカイドウ競馬」というサイトを立ち上げ、積極的な情報発信が行われることになったわけです。

そして私は「がんばれ!ホッカイドウ競馬」における公募ライターの一人として(東京在住のサラリーマンでありながら)採用され、2001年4月から対策室が運営する「がんばれ!ホッカイドウ競馬」にコラムを連載することになりました。

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 ▲ 懐かしの「がんばれ!ホッカイドウ競馬」のWebsite
  Wayback Machine:2010年12月29日のアーカイブより

更新は週に1回程度、ベースは競馬に関する内容、ただし自由に書いてよいということだったので(コラム、ですからね)、ずいぶんと色々な文章を書かせていただきました。
馬のこと、馬に携わる人のこと、レースのこと。何気ない日常の話題から、ぐいーんと捻じ曲げて、馬の話になったり、馬の話を下敷きに、短編小説のようなものを書いたり…。

おおよそ10年とちょっとの間、コラム書かせていただいていた間、私は「競馬ライター」と名乗っていました(幸いにして私が勤める会社では、かなり昔から兼業を認めてくれていたので、兼業ライターをしておりました)。
ありがたいことに、ホッカイドウ競馬での取材の際には取材章を出していただき、事務エリアに入るお許しをいただき(もちろん取材可能エリアのみですよ)、それだけでなく馬産地や牧場、そしていくつかのスタリオンにも取材でお伺いすることができました。

やがてコスモバルクなどが登場すると、そのエリアがどんどん拡大しまして、JRAの短期取材章も取得して中央競馬の競馬場でも取材をさせていただくようになりました。

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 ▲ コスモバルク@中山競馬場 2004年皐月賞(撮影:森 孝時)

「がんばれ!ホッカイドウ競馬」が私の競馬ライターとしての核になり、別の地方競馬主催者のサイトへ機構させていただいたり、毎日新聞北海道版「ぬくもりぽてと」でも競馬コラムを掲載していただいたり、キャロットクラブさんの会報誌でもコラムを掲載していただいたり…(最後に掲載していただいたときには、肩書が「競馬ジャーナリスト」になっていて、自分でビビッてしまったり)。
ありがたいことに、本当に多くの競馬関係者の方々(地方や中央の騎手や調教師、助手、厩務員、主催者事務局の皆様や、牧場や種馬場の関係者の方々、記者の方や芸能関係の方々)にお会いし、お話しができ、すばらしく刺激的な日々を過ごしてきました。

そんなこんなが10年ほど続いておりましたが……

やがて、ホッカイドウ競馬が勢いづいてきて……それはもちろん私のせいではなく、多くの関係者の方々と、早くて強い馬たちのおかげなんですが、ともかく地方競馬に注目が集まるようになると、だんだんと私のライティングの主戦場は競馬の世界から離れていったのです。
気づけばここ数年、競馬に関する文章はほとんど書いておりません。

ありがたいことに、現在も「ライター」と名乗っても構わないだろうという程度に、書き物の活動は続けておりますが(名前が出ないお仕事がほとんどではあるものの、ありがたいことにライターのお仕事を続けさせていただいております)、さすがに「競馬ライター」と名乗るのははばかられるようになってしまいました。

気づけば、私の競馬ライターとしての核になっていた「がんばれ!ホッカイドウ競馬」も、Webサイトとしては閉鎖になってしまっており、現在は「がんばれ!ホッカイドウ競馬.blog」として、ホッカイドウ競馬支援室/ひだか応援隊により運営されています。

残念ながら、私やその他のコラムライターさんが「がんばれ!ホッカイドウ競馬」で書いた記事は、すべて読めなくなってしまっています。
一緒にコラムを書き続けてきた古本さん、永田さん、ヒデちゃん、そのほかみんな、さみしいですよね(取り上げた馬たちの名前を検索してもひっかからなくなってしまったのは、本当にさみしくて、悲しくて)。

そんなわけで、これまでに私が「がんばれ!ホッカイドウ競馬」で書いてきたコラムをnoteで再公開することにしました。
これからちょっとずつ、後日談やその時のエピソードなども書き加えながら、再公開していきます。

もちろんそれ以外にも、エッセイなども書いていこうかと思っています。
森孝時のライターとしての原点から、その他お仕事のことなどをまとめていければいくつもりです。

お暇なときに、時折で構いませんので、お付き合いいただければ幸いです。

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