こたつむりは虚無を見る

なんっにもしたくない。そんな日や時間が度々ある。今日もそんな日。

ちょっと暑いな、って思うこたつにもぐり込んで、なにもない中空や更新されないタイムラインをぼーっと眺めて半日が終わった。

相変わらず首と肩とそれから色々が凝り固まって鈍く痛み、ついでに気まぐれでやった昨日のストレッチの成果でお腹と上腕の筋肉痛もついてきた。

メンタルもしょぼくれていれば体調も悪いなんて踏んだり蹴ったりもいいとこだ。もひとつおまけに眠気もやってきた。なんて日だ。

でも私は今朝バイトの面接申し込みをした。短時間で生活費には程遠くおこづかいぐらいにしかならないお仕事だけど、Web応募ボタンを押し、あれこれ求められた申請事項を記入し、再度応募ボタンを押した。

こんなもうなにもかも無理です、みたいな日にやってやったぜ。私は偉い。そんなことを無理にでも思わないとやってられっか。けっ。天井を見る。くしゃみをしたら腹痛で呻く羽目になった。ちくしょうめ。

こんな日でも無職脱出計画をなんとか進めようとあがく私のお向かいで、こたつでぬくぬくしている父がスマホゲームにいそしんでいる。ちなみにこいつは私が小学生になる頃からの無職である。

断られ続ける面接に心折れ、接客だけは維持でもやりたくなく、普通免許しかもたない男は、皿洗い、洗濯物のとりこみ、そしてアイロン、それ以外はスマホを見つめている。煙草もやめない。ささやかなる家事も、ここ数年で徐々に始めたことで、気分がのらなければやらない。

言ってやりたいことはたくさんある。恨みを込めて視線をやる。へらへらと笑顔が返ってきた。スマホゲームがうまくいっているらしい。それはよいことで。

働かなくては生きられない。人並みに働く自信はいつもない。そもそもどうしても生きたいと思ったことがない。

死にたいなぁ、ぽやぽやとした気分のまま呟く。それは駄目だよ、と目の前の原因の一つがムッとする。

なにもしたくない。ぼんやりと見つめる中空にほこりが漂っている。

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