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経営もキャリアもわらしべ長者。今まで積んできた社会のトラストの中でしか勝負はできない

日経COMEMOさんでビジネスリーダーとして記事を書いてます、株式会社Natee代表の小島です。僕らはショートムービー(特にTikTok)で活躍するクリエイターと一緒に企業のプロモーション支援をしている会社になります。

ちょうど明日で創業丸4年を迎えるスタートアップで、売上規模も月に2億円弱まで伸長はしてきたのですが、目指しているグレートカンパニーと比べると亀のような成長しかできておらず焦る日々です。

先日みんな大好きサイバーエージェントの通期決算が発表されましたが、なんと25期連続増収、しかも直近の売上の伸びの絶対額が恐ろしい。日経には「純利益4割減」なんて取り上げられていましたが、純利で700億円弱出てる恐ろしい決算の内容になってます。

僕はサイバーエージェントを日本を代表する偉大な企業として非常に尊敬、かつ参考にしており、藤田さんはもちろんサイバーエージェントの方が出した本は10冊以上は読んだと思います。

非常に多くのことを学ばせてもらっていますが、そんな中で僕が経営をする中で非常に大事に思っている「経営はわらしべ長者」という藤田さんの言葉を深堀りして考えていきたいです。

ビジネスは資本力がモノを言う

ビジネスにおいて重要なことはいくつもありますが、こと事業選定において一番成否を分けるのは兵站の部分、つまりリソースの問題だと自分は考えています。

事業を一定の規模にし、利益を出せる体制になるまでにかかるお金が一体いくらなのか、そしてそれは自分が持っていなかった場合に外部から調達できるのか、これを見誤るとどんなにいいマーケット選定とチームでも非常に中途半端なまま志半ばにサービスをクローズせざるをえなくなります。

2016年からスタートしたスマホ決済の先駆者Origami Payは7年間で101億円を調達し、時価総額は400億円にも及んでいた日本を代表するフィンテックスタートアップでした。結果どうなったかと言うと、最終的にメルペイにタダで買収されることとなりました。メルカリで売っている中古のリップクリームよりも安くなってしまったんです。

挑戦自体は非常に素晴らしいことであるのは間違いないのですが、選んだゲームが明らかに大資本でまくられてしまうドメインであり、PayPayは2020年から2022年で、実に2,148億円の営業損失をぶっこんでます。正直ソフトバンクの参入が決まった時点で話にならない戦いだったと言えますね。

大手がやらない、相手にもしないニッチ領域で、なおかつ資本でまくられないアセットを競争優位性にしながらやっていかなければいけないのでスタートアップは大変です。

すでにITの中ではレジェンド of レジェンドとなった楽天でさえも通信事業への進出は莫大な投資になっており、その赤字を支え続けるのが非常に大変なのは直近の資金調達の動きからもわかる通りです。

社会で積んだトラストの分しか挑戦は許されない

「社会でトラストを積んでほしい。トラストがあれば、自分が本当にやりたいことをできるようになるから」と社内でよく話してます。

トラスト(信用)とは、平たく言うと「この人に任せて本当に大丈夫なの?」という証明書です。

それは家柄だったり、学歴だったり、職歴だったり、資格だったり、起業家だったら業績だったり、仮説の確からしさだったり、いろーんなことを総合判断して世の中は評価してくることになりますが、とにかく「この人なら」と思ってもらえる必要があります。

たとえば孫さんだって、一番最初の事業として通信事業は絶対にできなかったわけで、その長い起業家人生は自動翻訳機をシャープに1億円で売ったところから旅路が始まっています。

ソフトバンク社としてソフトウェアの卸を始めたのは1980年。Yahoo!BBで通信事業に参入したのは2001年なので、実にそれまで20年以上はかかっています。

全ての大企業も最初は誰にも相手にされないベンチャー企業だったわけで、当時、いい意味で自分のできる範囲内のビジネスから仕掛けていったはずです。そしてそのトラストが徐々に大きくなり、できることが増えていく、そういう順番なんですよね。

実態の伴わない起業家の虚しさ

どんなに洗練された事業計画を書いても、鋭いユーザーインサイトを捉えていても、壮大なビジョンを描いても、トラストがなければその土台に立つことはありません。

たまに、永遠にpivotを繰り返して、一向に社員が増えることもなく、毎回言うことややっていることが変わる起業家がいます。もしかしたらいつかその中から大ヒットが出るのかもしれませんが、ANRIさんの本にも書いてあった通り、事業を成長させること以外に起業家としての成長はないと僕は思います。なぜなら事業の成功こそが起業家を測る唯一の指標であり、それ以外の評価軸は存在しないからです。

つまらない考え方かもしれませんが、自分は勝てる戦いをしたいと思ってます。自分だけならまだしも、メンバーを巻き込む以上社員にも人生において一番大事な資源である時間を投資してもらうことになるので、勝ちたい。

もちろんビジネスは一勝九敗。勝てるものの方が少ないのは百も承知、リスクがないところには旨味もありません。逆に一個大当たりすればそれで全部回収できるそんな世界です。

ただ、着々と社会でのトラストを積み上げていくことなしに、十回の挑戦をすることもできないのではないかと、そう思うわけです。もちろんお前はどうなんだ?というブーメランはめちゃくちゃ自分に効いてまして、、こっからっす!笑。

キャリアもわらしべ長者で形成される

経営だけでなく、キャリアもまったく同じだと思います。トラストを積んだ分しか自分の裁量が増えることはありません。トラストがない状態で自分のやりたいことだけを主張しても、「なぜあなたに…?」となるだけです。

たとえばエンジニアにジョブチェンジをしようと思っている人が、「今まではマーケティングを半年やってましたが、あんまり向いてない気もしていて、エンジニアになりたいと思っています。学びながら働かせてもらえませんか?」と言われて、「はい、喜んで」となるでしょうか?

世間には多くの人がいる中で、わざわざ自分を選んでもらうには、自分に任せてもらえるに足る証明書を増やしていく必要があります。

もしマーケターとして突出した成果を出していたら、「まあエンジニアとしての経験はなくとも、これだけ短期間でインプットして成果を出せるなら素養はありそうだな」とか、トラストをチェックすることはできるかもしれません。それに加えて、たとえば東大理系院卒だったら後押しの材料は更に増えます。

もしくは、「業務としてのエンジニアリングは未経験ですけど、仕事終わってから1日4時間、休日は10時間毎日勉強しました。これは最近僕が作ったサービスです!」と言われて、それなりにイケてるコンセプトのものを出されたら「ええやん!」となるはずです。

もし現職で満足できない方がいたら、逆説的ですが現職で成果を出すことからトライしてみることが一番長い目で見て価値が高いかもしれませんね。

昔こんなnoteを書いたので、キャリアに悩んでいる方はぜひ読んでみてください!

おわりに

Nateeは質実剛健なスタートアップを志向し、積極的な採用を実施しています!ショートムービーに興味がある方、クリエイターエコノミーが好きな方、スタートアップで青春したい方、経営に近い距離で圧倒的に成長したい方、ぜひ気軽にTwitterのDMでもサイト経由でもご連絡くださると嬉しいです!

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