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次世代にはCo-Creation Marketingが刺さる!無名のスタートアップがTikTokのアワードを受賞できたわけ

「Fast alone, far together(早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け)」__アフリカのことわざ

2019年12月3日、僕が一番好きな作業場所であるトランクホテルにて。

ByteDanceが主催する「TikTok Ads Annual Marketing Event 2019」に共同創業者の朝戸と参加して、授賞式の様子を眺めていました。そう、指をくわえて眺めていただけ。

ディナーパーティーの時間になって多少の名刺交換の後、どちらが言い出すわけでもなく「帰ろうぜ」とオフィスに戻って仕事を再開したのを思い出します。悔しい気持ちと、来年こそは絶対受賞するぞという固い決意を持って。

それから一年経った2020年12月16日、株式会社NateeはTikTokパフォーマンス広告においてブロンズ賞を受賞しました。電博さん、セプテーニさん、アドウェイズさんなど錚々たる顔ぶれの中で、無名のスタートアップであるNateeが表彰されたことは素直に嬉しく思っています。

自分語りはここまでにして、「なぜ、無名のスタートアップが営業を始めてから1年足らずでTikTokのアワードを受賞するに至ったのか」を説明しようと思います。これからのマーケティングトレンドを抑える上で絶対に損はさせないので、5分ちょっとだけ時間をください!

現代の広告嫌いは深刻化している

まず本題に入る前に、大前提の認識のすり合わせからさせてください。

Apple Storeの有料アプリランキングの一位が何か皆さんご存知ですか?

広告ブロッカーランキング

この熱量で連日レビューされるアプリの正体がアドブロッカーなんですね。

スマートフォンの小さい画面にたくさん出される広告はぶっちゃけすごくうざい。それを排除してくれるこちらのアプリはまさに救世主かのように扱われ、クチコミでぐんぐん伸びています。(このアプリが広告を出しているのかは気になるw)

TikTokユーザー白書にも、スマホネイティブの61.1%が広告が嫌いという旨のサーベイが書かれています。

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誇大広告に騙されたりというのは昔からあることですが、ナチュラル志向で、手の届きそうな範囲の存在(ブランドも人も)に親近感が湧く、というのは興味深い次世代のインサイトだと思います。

逆に言うと、コンテキストがなく突然見せられる広告は受け入れられず、ヤラセなどにはかなり敏感ですし、炎上の発火点も以前に比べて圧倒的に低くなっているので、非常に頭を悩ませているマーケ担当の方も多いはずです。

CPAだけを追い求めると短期的な視野で過激な広告を打つようになる

プラスして挙げるとすると、パフォーマンス広告が主流になってきた昨今において、CPAだけを追い求める弊害というのも発生してきているのかなぁと感じます。

CPAはクリックさせやすくコンバージョンさせやすければいいので(CTRとCVRで決まる)、どうしても目を引くクリエイティブだったり、サービスの世界観を無視したちょっとゲスい広告を流してしまいがちです。

でもそれを繰り返し続けた結果、広告とサービスの実態との乖離を生んだり、際どい内容の広告を見るだけで嫌いになったり、自分を振り返っても広告によって嫌いになったサービスは無限に思いつきます(ターゲットでない可能性も高いですが)。

僕はかなりデジタル脳なので、広告ならばCPA信者に近いです。芸能人の起用に2億円ってマジ?その分刈り取り施策に使った方がよくない?みたいなことはめっちゃ思いますし、マーケ予算が限られているのであれば運用広告一択です。が、本当に長期的な全体最適でサービスのことを考えるのであれば現在のCPAだけを合わせて運用するのは得策ではないのかなと思います。

サービスがスケールするとCPAは必ず上がってきますしね。もう少し踏み込むと、GDPRとかCCPAの流れを受けて日本でもcookie規制は始まっていくでしょうし、ずっとリタゲに頼っていると確実に死ぬ未来しか見えません。

ちょっと話はズレますが、この前とあるブランドディレクターと話していて、「マーケティング = 広告運用」だと思っている人との話が噛み合わないという話がありました。

広告運用って、マーケティングの中の、プロモーションの中の、ペイドメディアの中の、運用型広告なのでめちゃめちゃ狭義なのですが、それがマーケティングだと誤解している人が多すぎると思います(特にITの若い人)。

プロダクトとかプライシングまで見れてマーケティングだし、ブランドや世界観、UXを無視した運用広告はよろしくないと思います!完全に雑談でした!!

コンテンツとして消費できるインフルエンサークリエイティブという可能性

めちゃめちゃ前置きが長くなってしまいました。我々がTikTokのパフォーマンス広告を売り始めたのは昨年の秋からですが、1年間で受賞に至った具体的な話をしていけたらと思っています。

(大前提、僕らはまったくの発展途上なので満足しているわけではありませんし、期待を成果でお返しできなかったクライアントもいるので、もっと精進致します。)

運用担当者も大手に比べたら人数もいなければスキルもないのは明白ですが、その中でNateeが一つだけ突出している点、それはインフルエンサーを起用するクリエイティブです。

@sayansa34

泥のパワーでサラサラとぅるん髪に #pr

♬ SHIMMY SONGTRADR 30 HIT WONDER - Artist manager manager

こんな感じです。ぜひ再生してみてください。広告嫌いの次世代に響くコンテンツっぽい広告。

サムストップさせられるか(スマホをスクロールする親指をいかに止めるか)が重要と言われるスマホ広告において、「一瞬で広告だとわかってスキップされるもの」と「広告だとわかるけどコンテンツの価値があるから最後まで見てしまうもの」とあった時にどちらが広告効果がよくなるかは明白ですよね。

運用力がまだ発展途上の我々でもクライアントから喜んでいただける成果(CPA、ROI)を出せたのはクリエイティブの力によるもので、月間で百本弱は作っているのでノウハウが貯まり続けています(ここまでアジリティ高くやれるのは社内にインフルエンサーのアセットがないと無理だと思います)。

@sponsoredcontent09395

スマホでつながる音楽コラボアプリnana

♬ original sound - Sponsored Content

Bytedanceさんからも『 パフォーマンスだけでなくブランド領域においてもNatee様の独自の強みであるインフルエンサーを活用したUGCクリエイティブで圧倒的な結果を出し続けていただき、 弊社の媒体成長に貢献いただき深く感謝しております。 』とコメントをいただき感無量です!インフルエンサーの皆さんに感謝するしかありませんね。

Co-Creation Marketingが次世代にぶっ刺さる

上記はあくまでパフォーマンス広告のクリエイティブをインフルエンサーを使ってコンテンツ化したら効果出ましたよ、だったりするんですが、これからのマーケティングはCo-Creation(共創)をいかに生み出せるかがカギだと思います。

企業は基本的に①リサーチ、②商品企画、③製造、④販売の4つのフェーズを経て商売をしているのですが、現状は④の販売の部分でしかインフルエンサーやエンドユーザーが関わる機会はありません。

でもこれからは、リサーチから販売の全てのプロセスにエンドユーザーを巻き込みながら、熱狂的なファンを創っていくアプローチに変わっていくはずです。

ちょっと強引なまとめ方ですが、最近の概念として出てきた「ファンベース」「プロセスエコノミー」「P2C」「クラウドファンディング」など、全てはCo-Creationを指しているのです。

完成された権威ではなく、ただの一過性のバズでもなく、発展途上の共感による熱狂的なファン創りというのは、メガトレンドとして2020年代を形作ると思っています。

Co-Creation Marketingって具体的にどういうこと?

とは言え、またよーわからんスタートアップが変な概念(ポエム)を垂れ流しているだけだろうと思われてしまっても仕方がないので、具体的にどんなことがCo-Creationで、それがどうエンドユーザーの熱狂的なファン化に繋がったのかという話をして終わろうと思います。

事例① TikTokの例

2年前にかなりバズったTikTokに関してのnoteがあるんですが、ここにも記載している通りTikTokは広告を参加型にしたことが革命的でした。23,600本のポッキーに関する動画が1日で投稿される世界線ってすごくないです?

瑛人の『香水」がTikTokで死ぬほどバズって、なんと紅白出場も決まりましたが、アフリカの子供にまで浸透してるのやばくないです?笑

何か特定のお題をネタにアレンジが加わりながらどんどん派生していく例をミームと言いますが、TikTokのミームの可能性は凄まじい。それこそグローバル全体で瑛人を担ぐみたいな状態になってますからね。

TikTokは単に可愛い子のダンスを見るアプリではまったくなく、ユーザーと作り上げるCo-Creationの場だと我々は定義しています。

事例② 共闘ことばRPG『コトダマン』の例

こちらの記事に詳しいのですが、セガゲームスが創ったコトダマンはゲーム業界に激震を起こした事例として取り上げられています。

結果
・リリース翌日にApp Storeのゲームカテゴリで1位
・3日間で100万、1週間で200万、1ヶ月で500万ダウンロード

コトダマンのやったこと
・大々的な広告プロモーションはなし
・Twitterでのコミュニケーションを「開発会議」と見立て、フォロワー全員を「開発協力者」と呼んだ
・「開発会議」でゲームの仕様が追加・改善されていく過程を随時報告
・ゲーム内クレジットにリリース日までにフォロワーとなってくれた人全員の名前を表示
・キャラクターのネーミング案をフォロワーから募集

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共創を通じて、『コトダマン』というゲームは単に提供されるもの(サービス)ではなく、共に了解された議題へと変貌していったのです。

大きいプロモーションなしに熱狂的なファンのクチコミだけでここまで伸びていく事例こそがCo-Creationの爆発力と言えると思います。

事例③ P2Cブランドの『skinholictokyo』さんの例

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ちょうど最近ビタミンCのサプリを出した美容系のインフルエンサーの方なのですが、ずっとそのブランド立ち上げの様子をシェアし続けていました。

サプリの名前を募集したり、「欲しい成分無理やり入れたら原価が高くなっちゃった!」的なストーリーをあげたり、制作過程から全てユーザーとCo-Creationしながらやっていたんですね。

初回販売の結果は数分で完売w もちろんロット数など詳細なことはわかりませんが、ずっと販売開始をワクワク待っていたファンがそれだけいたということです。販売開始前から熱狂的なファンを作れるCo-Creationってすごくないですか?

他にもナマ感や参加してる感の醸成(NiziUなどのオーディション番組や恋愛リアリティーショーなど)を含めると、Co-Creationに近い文脈の事例は枚挙にいとまがないかと思います。

NateeとCo-Creationの事例を創っていきませんか?

弊社は今はTikTokに特化をして「インフルエンサーマーケティングって効果出なくない?」に対して、パフォーマンス広告でもブランド広告でもCPAやPOSデータへの跳ね返りなどの成果をお返しできました(この辺の事例はまた年明けからどんどん出していけたらと思っています)。

でも上段でも書いた通り、①リサーチ、②商品企画、③製造、④販売の4工程のうちの販売にしか関われていないですし、今後は最後のPromotionだけでなく、ProductやPlaceまで入っていきたいと思っています。なぜならその方が成果を出せると確信しているからです。

Nateeは本質的にはCo-Creationを通じて企業活動のプロセスを民主化させていき、結果的にブランドの長期的な価値向上に貢献していきたいと思っています。もちろん目先のCPAやPOSデータへの跳ね返りなどの成果指標も妥協しないで、です。

例えば具体的にやるとしたら

①リサーチ
今までクローズドで行われていたグループインタビューにインフルエンサーに来てもらって、社員×インフルエンサーの対談をライブ配信して、エンドユーザーとのコミュニケーションを取りながらオープンにする。

②商品企画
上記で得られたインサイトなどを元に商品企画アンバサダーを募集して、一緒に企画会議を進めていく。その様子もすべてライブ配信およびSNSに流す。

③製造
工場見学ツアーなんかを開催して、普段はなかなか見れない裏側なんかもどんどん発信していく。

④販売
一連のリリースがされたら、関わってくれた人、ならびにブランド側の社員も含めて全員がクレジットに載った制作ムービーが公開される。

たとえばこんな一連の流れがあったらどうでしょう?Just an ideaですが、「ほらできたぞー!買えー!」って言われるよりはよっぽど深いユーザーインサイトとファンベースを獲得できていると思いませんか?

Co-Creationを通じて熱狂的なファンを獲得していきたいブランドさんがいらっしゃれば、ぜひご一緒したいです!どんなに小さい相談でも構わないのでご連絡お待ちしております。

才能ある個人と一緒に創るCo-Creationなマーケティング事例をNateeで作っていきたい方はぜひご応募ください!WantedlyでもTwitterのDMでも構いません。

おわりに

1. フォローしてください!
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