カクコツ 取材する⑥| 取材謝礼は必要? いくらぐらい?
企業が発信するさまざまなメッセージを文字化するビジネスライティング。「カクコツ」では、その仕事内容と書くためのノウハウを、コピーライターとして30年のキャリアをもつコジマが解説しています。「取材する」編の6回めは、ビジネスライティングの取材謝礼は必要なのか、必要なら相場はいくらぐらいなのかを、これまでの経験をもとに紹介します。
ビジネスライティングでは基本的に不要
以前にも紹介したように、
ビジネスライティングにおける
取材相手は主に取引先であり、
もしくは自社グループの
社員であることがほとんどです。
その場合は当然のことながら、
取材謝礼(お金)が発生することはありません。
相手が取引先であれば、
通常のビジネスで
何らかのお礼をするかもしれません。
自社もしくはグループ社員であれば、
もちろん不要でしょう。
謝礼が必要な3つのケース
ビジネスライティングで
まったく取材謝礼が発生しないのかというと
そうではありません。
①依頼元の業界で有名な識者
②自社にほとんど関係ない文化人
③メディアの広告企画やタイアップ企画
おおよそ、この3つの場合は
謝礼が発生する可能性があります。
では、おおよそいくらぐらいの
謝礼が必要になるのでしょう。
①依頼元の業界で有名な識者
たとえば、大学の先生や専門家として
ビジネスをおこなっている人などでしょうか。
以前から依頼元と付き合いがあるなら、
金額はその付き合いの深さによります。
「お金なんかいらないよ」と
いうことも普通にあり得ます。
業界識者は多くの企業・団体と
公平に付き合うのが大前提です。
金額よりも取材や原稿の内容、
露出のさせ方で依頼の可不可が決まると
思われます。
これまでの経験では、
謝礼の金額でもめた記憶はありません。
最低金額は無料。
数万円というケースが
多かったと思います。
現金が気まずそうであれば、
図書券で用意することはよくあります。
Amazonギフト券なんかも喜ばれます。
②自社にほとんど関係ない文化人
たとえば、テレビやネットなどで
よく見かける「文化人」などが
わかりやすいですね。
依頼元の製品・サービスや市場について、
“外からの”知見や考え方を取材して
原稿にする場合が考えられます。
たとえば、社内限定の
ブランディングレポート、
新製品・サービスを開発するための
事前調査レポートなどでしょうか。
最近では、ある企業のCI開発のために、
まったく違う業界の有名な社長に
インタビュー取材しました。
謝礼は発生していません。
表向きは取材とはいえ、
トップ同士が面談する機会になったわけで、
今後の協業が期待できると判断できたからです。
実際に取材現場はまさにビジネスミーティング。
それなりに楽しく、実り多い内容になりました。
もし取材謝礼が発生するとしたら、
数万円から10万円程度になるのかもしれせん。
企業のトップであれば、
お金の話にはならないかも。
「文化人」であれば、
ランクに応じた金額になるかと思いますが、
広告代理店か専門のキャスティング会社に
相談することになります。
③メディアの広告企画やタイアップ企画
ある全国紙ネット版に掲載する
某政府環境局のタイアップ企画に、
有名登山家に登場いただいたことがあります。
話をしっかりお聞きして写真撮り下ろし。
掲載1回分の謝礼が20万円でした。
いろいろなケースがあると思いますが、
メディアの広告企画やタイアップの場合は
取材謝礼+出演料という感じですね。
ライターさんの仕事ではないので参考まで
これまで挙げたケースと金額は
あくまでビジネスライティングにおける
わたしの経験と想定にすぎません。
目安にはなるかもしれませんが、
そのまま相場と考えるのは早計です。
取材相手にとって、取材を受けることが
自分にどのくらいのメリットを生むのか。
それによって金額は変わってきます。
前述のように、依頼元との関係性も
大いに影響を及ぼします。
ビジネスライティングにおける
取材謝礼の金額や払い方を決めるのは、
依頼元や広告代理店です。
ライターさんが心配することはありません。
「いくらぐらい払えばよいですか?」と
まれに相談されることがあるので、
その参考までに紹介しました。
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