そもそもビジネスライティングって…
日本有数の資産規模を誇る投資信託
「ひふみ投信」の運用責任者である
藤野英人さん。
かつて、こんな独自調査を発表しました。
これがなかなかおもしろい。
トップの顔写真と「当社」のメッセージ
日本の株式時価総額の上位200社について、
ウェブサイトに社長と役員の写真が
載っている会社と、社長だけの会社、
両方とも載っていない会社を調べた結果、
業種に関係なく
写真があるほど株価は高くなる傾向があったと。
また、ウェブサイトの社長あいさつの主語が
「わたし/わたしたち」か
「当社(弊社)」などでも株価は違い、
「わたし/わたしたち」の方が高くなった
そうです。
藤野さんは
「偶然だった可能性はある」としながらも、
「トップが自分の言葉で語りかけて、
社長と役員の写真が載っている会社は、
そうでない会社と比べると、
商売の本質的なところを大切にしている
良い会社といえるのでは」と述べています。
有名な話なので、
ご存じの方は多いかもしれませんね。
コピーライティングより広義
ここに、わたしが考えるビジネスライティングの
定義と役割があるような気がします。
つまり、主語を「当社・弊社」
「わたし・わたしたち」とする
企業から発信するあらゆるメッセージを
文字化して給料や対価を得ること。
これがビジネスライティングです。
仕事としては、たとえばこんなものがあります。
・企業のウェブサイトやランディングページ
・商品・サービスの販促広告/パンフレット
・哲学や未来像を伝える企業広告
・会社案内や採用ツール
・CFやプロモーションビデオ
・ニュースリリース
・セミナーや勉強会のプレゼン資料
・サスティナビリティレポート/IRレポート
・統合レポート
・イベントブース
・社内の稟議書や提案書――など。
一般に理解されているコピーライティングよりも
広い守備範囲をもつのが
ビジネスライティングといえます。
さまざまな立場で存在する
ビジネスライティング
ビジネスライティングの書き手にも
さまざまな立場があります。
発信主体である企業の担当者、
代理店・制作会社のコピーライター、
そこから受託するフリーランスなど。
どの立場の書き手に対しても、
何かひとつでも役立つネタを提供できれば。
そう考えながら書いていくつもりです。
「当社」より「わたし」
「弊社」より「わたしたち」
言葉の使い方よりまず、
企業の中身や業績が誇れるものになっているか。
そうなりたいとトップが強く願っているか。
理想の企業像や在りたい姿が明確ならば、
ふさわしい言葉や表現があるはずです。
企業のなかの担当者、外部のコピーライター、
フリーランスのライターなど、
どんな立場であれ、
それを追求して提案していくのが、
ビジネスライティングの根本であり、
役割だと考えています。