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ITエンジニアの私が資産運用の基本を学ぶために役立ったもの

はじめに

本稿は、私がITエンジニアの友人に対して、資産運用の基本を学ぶのに役立った記事や動画を紹介するために書いた記事です。
せっかく一生懸命 書いたので公開しました。

私の家は、平均的な世帯年収と同程度あるので
「資産運用なんて面倒なことしなくても良い」と思っていました。
しかし、その考えはとてもリスクが高いことに気付きました。
思っていた以上に、銀行貯金のみで生きていくことの方がリスクがあると分かったので、資産運用を始めて良かったと心底思っています。

実際、資産運用で面倒なのは最初の設定だけで、その後は放置しています。(1年に1回だけ資産の比率は見直す予定)
言うなれば、CI/CDと同じで、最初の設定さえすれば、その後に長期に渡って見返りがあります。
私は資産運用の基本にそって資産運用を始めた結果、30年後の未来が以前より明るく感じられるようになりました。

この記事が、私のように「資産運用は面倒そう」と思っていた人の、資産運用の基本を学ぶきっかけになれば幸いです。

30分で判る 経済の仕組み Ray Dalio

資産運用の前に、そもそも私は経済活動がどういうメカニズムなのか知りまませんでした。
そこで、経済の仕組みの説明として、おそらく最も有名な上記の動画を視聴しました。とても分かりやすかったです。
私の解釈を以下に記します。

経済の基本的な循環
下記①②③の循環が経済の成長に繋がる。
①お金を借りることで支出が増える(設備投資や事業立ち上げなど)
②ある人の支出が増えると、他の人の収入が増える
③収入が増えると信用が増してお金をもっと借りることができる

インフレになるメカニズム
・上記①②③の通り、経済を成長させるためには、お金が借りやすいことが重要な要素
・中央銀行が設定する利子が低ければ、お金が借りやすい
・お金を借りること(債務)で、所得以上の支出ができて経済の成長になる
・経済が成長して支出が増加すると、価格が上昇していき、インフレを招く

デフレになるメカニズム
・中央銀行は、インフレを避けるために価格上昇を感知すると利子を上げる
・利子が上がると、お金を借りる人が減り、債務返済のコストが増える
・債務が増えると支出が減り、支出が減ると収入が減り、収入が減るとお金を借りる人が減り、お金を借りる人が減ると支出が減る
・支出が減ると価格が減少していき、デフレを招き、経済が縮小して不景気になる

インフレとデフレの周期
・中央銀行は、デフレになって不景気がひどくなると利子を下げる
・利子が下がるとお金が借りやすくなり、再び経済が成長する
・お金が借りやすくなると経済が成長しインフレを招き、お金が借りにくくなると経済が縮小してデフレを招く
・この短期的な周期は5~8年ごとに起きる
・その周期ごとに、少しずつ債務が増えていく(数年ごとに波はあるものの、長期的な漸近線で見れば経済は成長を続ける)

経済活動の折返し
・短期的な周期を繰り返しながら何十年も経つと、債務が増えすぎて、債務の返済額が所得より増える時が来る
・これが経済変動の折返しとなり、そこから悪循環になる
・債務の返済のために支出が減り、収入が減り、お金を借りる人が減り、支出が減る
・直近でこれが起きたのが2008年のリーマンショック
・経済活動の折返しでの悪循環が起きた際、中央銀行が利子を下げるだけでは対策できない(もしくはすでに利子を下げ切っている)ため、お金を印刷して政府の債権を大量に買い、政府がそのお金で物品やサービスを買い、経済の活性化を図る
・政府がお金をたくさん使うことで、収入が増え、お金を借りる人が増え、支出が増え、収入が増え、債務は減少していく
・そのように政府がうまくバランスをとることで経済は再び成長する(ただし、経済活動の折返し前の状態まで回復するのに10年くらいかかる)

経済の仕組みの所感
短期的に見れば経済の成長には波がありますが、長期的な漸近線で見れば、経済は少しずつ成長していくものだと分かりました。
従って、これからの数十年の資産運用を考えるならば、株式などの経済の影響を受ける資産の運用は、短期的な結果で評価したり一喜一憂するのでなく、長期的にどうなるかで評価した方が良いと感じました。

資産運用の基本とは

経済の仕組みが分かった上で、いろいろ資産運用の記事や書籍や動画をみたところ、それぞれ書いてある内容は違いましたが、多くの人が共通して主張している内容がいくつかありました。
私の解釈は以下です。
資産が貯金だけの方がリスクが高い
経済は長期的に見ればゆるかなインフレになる傾向があるため、現金の価値は長期的に見れば下がるリスクがある
・iDeCo、NISA という非課税でお得な株式投資の仕組みを使った方が良い
大手証券会社の窓口は手数料が高いので、ネット証券で自分で投資商品を選んだ方が良い(有名なのはSBI証券と楽天証券)
株式投資をローリスクローリターンで始める方法は、米国株か全世界株のインデックスファンドへの積立投資を長期間行うこと
・最後は自己責任で、自分の頭で考えて後悔しないように自分で決めること

上記とだいたい同じような内容で、初心者向けにとても分かりやすく説明してくれる素晴らしい動画2本を以下に紹介します。

【初心者向け】資産運用って結局どうすれば良いの?に対する具体的回答【株式投資編】

こちらは「両学長 リベラルアーツ大学」というチャンネルの動画で、初心者向けの資産運用を丁寧に説明してくれています。
私はこの動画のポイントは以下と解釈しました。
・伝統的資産と言われる株式もしくは債権から始めた方が良い
・不動産、仮想通貨、FX(外国為替取引)は、初心者には向かない
インフレになれば現金の価値は下がる
・初心者は少額から資産運用を始めて、まず値動きに慣れることが大切
・iDeCo、NISA という非課税でお得な株式投資の仕組みを使った方が良い
・S&P500に連動したインデックスファンドに長期投資
するのがオススメ

【お金の授業総まとめ①②】計16冊のお金の本を読み込んだ中田の結論は?

こちらは「Youtube大学」というチャンネルの動画で、16冊の資産運用の本を読んで、そこに書いてあったことを元にして説明してくれています。
私はこの動画のポイントは以下と解釈しました。
・預金や債権よりも株式の方がメリットが大きい
ネット証券で自分で商品を選ぶべき
iDeCo、NISA という非課税でお得な株式投資の仕組みを使った方が良い
・デイトレード、個別銘柄、アクティブファンドはリスクが高いからNG
インデックスファンドに長期投資をするべき
S&P500に連動したインデックスファンドに長期投資するのがオススメ

なお、私は妻に資産運用の基本を知ってもらうために、上記の動画を視聴してもらいました。

以降で、ここまでの内容を補足していく記事や動画を紹介します。

年利約10%・アメリカの株価指数「S&P500」とは

ここまで何度か「S&P500」という用語が出てきたので、その解説記事です。この記事は、初心者の私にはとても分かりやすかったです。
以下のことが分かりました。
「S&P500」とは、米国の代表的な500社を選手した株価指数
・ポイントは、500社を随時入れ替えている点
・調子を落とした企業はS&P500から外れるので、常に調子の良い優良な500社に投資しているようなもの
S&P500の過去30年間の年利平均は10%もある
・仮に、平均10%のリターンがあると仮定して毎月1万円を30年間、積立投資した場合(元金360万円)、30年後には2260万円になる

この30年間には、2000年にITバブル崩壊、2008年にリーマンショックという大きな大暴落が2回ありましたが、それでもこれだけ大きなリターンがあったというのは、心強い実績だと思います。

投資初心者は「全世界株」と「米国株」どちらに投資すべきか

全世界株か米国株(S&P500を含む)を勧める記事や動画が多いですが、実際、どちらの方がおすすめなのかについて、こちらの動画で以下のことが分かりました。
・全世界株の半分以上は米国株なので、そんなに大差ない
米国が絶対勝つという確信がある人は米国株、ないなら全世界株
・投資初心者は全世界株の方がオススメ

普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方

こちらは2020年にバズって、はてなブックマーク5000以上の記事です。Googleのソフトウェアエンジニアが書いた記事であり、
「資産運用はエンジニアリング」という名言を残してくれました。
こちらの記事で以下のことが分かりました。
・iDeCo、NISA をやってさらに余裕があれば、特定口座で積立投資する
・信託報酬の安い米国株か全世界株のインデックスファンドに投資する
最初に自分のリスク許容度の範囲内で、一括投資する(十年以上の長期間で投資を続けるなら短期的な暴落の影響は小さい)
・米国株や全世界株のような右肩上がりを続ける商品に対して、ドルコスト平均法で少額な積立投資で始めることは、必要以上にローリスク・ローリターンをとることになる
普通の人がマーケットタイミングを計って投資するのは非効率

ここまで色々と書きましたが、結局のところ、私はこの記事に書いてある通りの方法で株式投資を始めました。
つまり、iDeCo、NISA、特定口座での積立投資を設定した上で、自分のリスク許容度の範囲で一括投資しました。

リーマンショック暴落前の高値から全世界株式を4%ルールで取り崩したらどうなっていたのか

こちらは「つみたてシータ」というチャンネルの動画で、会社を定年で退職後に、株式資産を4%ルールで取り崩した時に、もしも暴落が発生したらどうなるのかのシミュレーション結果を説明してくれています。

ITバブル崩壊とリーマンショックの2つの大暴落が始まる直前に取り崩し初めても、まあなんとかなるということが分かりました
定年後に、株式資産を暴落に備えて売却した方がいいのか、運用した方がいいのか、その辺りが不安でしたが、この動画のシミュレーション結果は、とても参考になりました。

まとめ

本稿で紹介した内容を元に、私は株式投資を始めました。

実際、資産運用で面倒なのは最初の設定だけで、その後は放置しています。
言うなれば、CI/CDと同じで、最初の設定さえすれば、その後に長期に渡って見返りがあります。

上記に書いた通り、最初に設定した後は、ほったらかしにしています。
しかし、その「最初の設定」がなかなか面倒で、まだ始めていない人もいると思います。
(私の友人がまさにそうなので)

そういう人向けに、証券口座の開設方法から積立の設定方法までインデックス投資を始めるための具体的な手順を書いた記事を、以下で公開しました。

ちなみに私は、普段はエンジニアリングマネージャーとしてのノウハウを投稿したり、発表したりしています。
例えば、あるカンファレンスでベストスピーカー賞を受賞した発表資料を以下の記事で公開しています。



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