怒らない育児で育てられた人➂

6歳にして初めて怒られる事を知った私、山田ゴリザエモンは持ち前の狡賢さと、自分の代わりに別の人間が怒られる対象になる様な嘘をつき生贄を鬼達に捧げるという外道中の外道として10歳になりました。

大人達は意外とチョロくて、怒る対象はだれでも良かったんじゃないかと感じる程でした。生贄さえ捧げれば鬼達は満足して私以外の人を怒ってくれる。一度甘い蜜を吸った私は一生この方法で怒られずに生きていこうと決めました。

人生イージーモードとはこの事!ぐはははははは!!!もう、私の中のデーモン小暮閣下は高笑いは止まりません。

しかし、そんな10歳の私が【自分がクズ人間だった】と気付く瞬間が訪れます。

借金取りに怒られて自分を振り返る。

え?急にどうした?と思われる事でしょう。➀でも軽くご紹介しましたが、私の家族は根っからのどうしようも無い人たち。両親は多額の借金を抱えているにも関わらずギャンブル三昧。当時は今と違い明らかに怖い格好の人たちがお家の戸を叩いたり、貼り紙を貼るなんて日常茶飯事でした。

ほぼ毎日借金取りが来るので、常に居留守を使う両親。そして、嘘を吐くのに慣れ過ぎて女優と化していた私は毎日『お父さんもお母さんも居ません。本当です。』という用意されたセリフを涙声で読み上げる事を日課としていました。(この毎日の演技の訓練が功を奏し私は学芸会や発表会では必ずナレーションという1番セリフの多く難しい役を与えて貰えました。居留守もしてみるものですね。)

10歳までは借金取りの方々も『本当の事を言ってごらん?』と優しくしてくれていたように思います。しかし、ある日1人の借金取りが私の日常を切り裂く様にこう言いました。

お前、なめてんじゃねぇぞ!!嘘ばっかり吐いてんじゃねぇぞ、コラ!ロクな大人にならねぇぞ、カス!!!!

衝撃でした。今まで顔は怖かったけど、口調はそこまでじゃなかった借金取りが本気で脅してきたのです。ビビりました。なんなら、ちょっとチビった可能性もあります。(ほんのちょっとですよ!)今まで殆ど怒られた事が無いのに!怒られないように生きてきたのに!まさか、脅しのプロから脅されるなんて。。。

でも、この脅しで私は目が覚めました。と言うよりも一瞬で洗脳されたのかも知れません。

私、このまま嘘ついてたら、ロクな大人になれないの?


と、ここまで書いておいてなんですが、息子が自分の寝言で起きちゃいましたので続きはまた次回!






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