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『「古事記」にまつわるお話 その4』

【シラスとウシハクを結ぶもの】

『子日、民可使由之、不可使知之(論語)』(民はこれに由(ゆ)らしむべし、これを知らしむべからず...) 民に制度趣旨に従わせることは可能でも、その趣旨を理解させるのは難しい。(参照:「論語に学ぶ会」高野大造氏)

前回、日本の変革期に国体の制度設計を担った井上毅氏の逸話をご紹介致しました。ウィキペディアによると、大日本帝国憲法第一条『大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス』は、国譲り神話に登場する「シラス」と「ウシハク」の違いに着目したことに由来するそうです。

井上毅氏と伊藤博文氏は共に異なる師匠に学びますが、その行間には神道と儒教の思想体系が共に存在するようです。

『徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきである』

「徳治政治」とは、孔子の統治論に由来する儒教の政治理念です。「シラス」の言葉には、「徳治政治」の思想と何らかの関連があるのではないかと、推測しました。

そのキッカケをもたらしたのが、山鹿素行氏の「中朝史実」の存在を知った事でした。儒教と神道を学んだ山鹿素行氏が、二つの思想体系を俯瞰した、そのような思考を持つのが自然である。そのように感じたからです。

古事記に「論語」の日本伝来について記載があるそうです(wiki.)。古事記の編纂を担った人物は、「当時の日本に存在する最高の知識人であった」と、そのように表現しても過言ではないと思います。

建御雷神

『「汝ウシハクこの国は、我が御子のシラス国ぞ」と、アマテラスが仰せである...』。

もしかしたら... 編者とされる太安万侶(おおのやすまろ)氏は「論語」を学び、またその影響を受けた人物だったかも知れませんネ。

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