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呪いの始まり、それはある日突然に。

知らぬが仏
とは、本当によく出来た言葉だ、と思う。

パンドラの箱を開けてしまうと、そこには歓喜か絶望か

究極の2択が待っている。

さて

私が、なぜ
BUMP OF CHIKENを聴けなくなったのか、という話だった。

聞かれてないが、続きを話そう。

当時、彼に振られたにもかかわらず
私は「友達」という事で、相も変わらず彼のそばを離れられずにいた。

ある時、彼にとって私は「別れた彼女」にほかならないのに、バイト仲間と一緒に呑んだ帰りに彼の家に向かった。

別れた事を知らない仲間たちにとってはいつもの風景に変わりなかった事だろう。

見慣れた彼の部屋に入ると、

そこには見慣れない一枚のDVDがあった。

それが、BUMP OF CHIKENだった。

当時彼らは一線で活躍しているミュージシャンに他ならないのだから、年頃の男性が聴いている事にはなんの不思議もないだろう。

でも、見慣れた彼の部屋に

「BUMP OF CHICKEN」

は、ありえない物質だった。

それはまるでたけのこの里の中にポツンと一つきのこの山があったような

ヘビメタのコンサート会場で
絢香が三日月歌い出した、みたいな

なんだか消化不良を起こしてしまいそうな違和感。

ありえそうで絶対にありえない。
見つけたからには触れずにいれない。
そんな感じ。

ケツメイシや三木道三を得意げに歌っていた彼と、BUMP OF CHICKENのDVDはどう考えても繋がらない。

「何これ。」と、尋ねると

「借りた」と、彼。
そしてバイト先の後輩の女の子に借りた事も付け加えて答えていた。

前回にもしっかり登場している、あの後輩だ。

「〇〇さんは、先輩のことホントに好きなんですね〜」とかなんとか言ってたあの後輩だ。

なぜなら、彼女は彼らの大ファンだった。
私の中ではイコールで繋がるくらい

BUMP OF CHICKENの話はその子からいっぱい聞いていた。

借りたのか。
単純にそう思った。

BUMP OF CHICKENのDVDが出てきた理由が彼女に借りた事に、なんの不信感を抱く事なく、同じバイト先なら
「ありえること」
で、受け入れることが出来た。

........本当に?受け入れた?

うむ。
今でもあの瞬間を頭の中ではっきりとプレイバック出来る私は、ふーんと言いながら手に持っていたDVDをもとの場所に置いている。

しかしもうすでに、この時からカウントダウンは始まっていたのだ。

いや、それ以前に始まっていたのだ。

急な別れ話も、別れた後の色んな事も

DVDの本当の意味も

全部が一つに繋がり

BUMP OF CHIKENを巡る大修羅場を迎える日が来るとは。

まだまだ続く、
BUMP OF CHICKENの呪い。


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