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二十年ぶりの故郷のベンチに一人座り、私はうなだれていた。 会社が倒産した。 創業から目をかけていた開発部長が会社を辞めてから、たった半年後のことだった。 私は二十年前、七条高校を卒業し、東京の大学に入学した。大学を卒業して、大手ソフトベンダーに入社し、コンピュータの技術者として最先端を歩んでいた。 五年前、自分の理想とする会社を作りたくて、会社を設立した。技術がちょうど時代の流れにマッチしていたこともあり、会社は成功し、赤坂の一等地に社屋を構えるまでになった。 や