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オンライン講座でラヒリ「停電の夜に」を読みました

 10月18日水曜日の夜7時半から、NHKカルチャーのオンライン講座「英語で読みたい!アメリカ文学」で、ジュンパ・ラヒリの短篇「停電の夜に」(A Temporary Matter)を読みました。
 以前もう一つの講座でこの作品を日本語で読んだのですが、そのときとは受講生の方々の受け取り方が違っていて、とても驚きました。日本語版では主人公である夫シュクマル目線で読んでいる人が多かったのですが、英語版では妻ショバの目線で読んでいる人が多かったです。翻訳の仕方でこうも変わるのか、と考えさせられました。
 内容はこうです。35歳で大学院生の夫が、出版社で校正の仕事をしている妻とすれ違うようになる。きっかけは妻の死産で、彼女の悲しみに寄り添うことがうまくできず、だんだんと一緒に過ごす時間がつらくなる。
 どうすればいいかわからない、となったときに、毎晩8時から短い時間だけ、1週間ほど停電になることになります。ロウソクの光だけを頼りに夕食を食べながら、今まで相手に言わないできたことを打ち明ける、というお話です。
 コミュニケーションが下手なのに、なんとか頑張っている二人の姿に打たれた、という意見もでました。このあと二人がうまくいくのか別れるのかはわかりませんが、心の奥底にある悲しみを共有する、というのは大切ですよね。
 授業ではびっくりするほどたくさん意見が出ました。それだけラヒリの作品が受講生の心を揺さぶったということでしょうか。新規の方もだんだん増えてきて、とても良い流れになってきたと思います。


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