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オンライン講座でケン・リュウ『紙の動物園』を読みました

 2024年3月6日の夜7時半から、NHK文化センターのオンライン講座「文庫で味わうアメリカ文学」でケン・リュウの『紙の動物園』(ハヤカワ文庫)を読みました。
 中国からカタログの花嫁としてやってきた母親が作ってくれる、命を持った折り紙の動物が出てくる表題作はとても魅力的です。その他にも、たくさんの素晴らしい作品が収録されています。受講生の方々は、何よりこの作品集に感情的に入り込んでくださいました。泣いたという方もいらっしゃったりして。
 それだけでなく、中国やアメリカ、日本、台湾といった地域の近代の歴史にこの作品を通して初めて触れた、という方もいらっしゃいました。たしかに日本の教育ではあまりこういうことは教えていないかもしれません。 SF作品から歴史を学ぶというのは興味深いですよね。
 その他、言語やAIと人間、といった現代ではすごくホットなテーマを、ケン・リュウが取り上げているということも指摘されました。こういう。同時代に話題になっていることを作品にするのが彼はうまいですよね。 SF好きだけでなく、様々な人が入っていける入り口のある作品を書くすごい作家だと思いました。
 2023年度の講座はこの3月で終了です。 2024年4月、つまり来月からは新シリーズが始まります。第一回は4月3日で、取り上げる作品は、ヘンリー・ジェイムズの『デイジー・ミラー』です。皆様にお目にかかれるのを楽しみにしております。


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