「質問するな、動画を撮れ」ダイニーの圧倒的顧客思考によるプロダクト開発の鉄則
こんにちは。こんばんは。
ダイニーのプロダクトマネージャーの武本です。
最近はダイニー社内で社外発信が活発になってきているので、頑張って発信をしていきます!
ダイニーについて
ダイニーは「飲食をもっと楽しく面白く」をミッション、「すべての飲食のインフラになる」をビジョンとして掲げ、テクノロジーで飲食業界の課題を解決しているスタートアップです。
一般消費者の方も目にする機会の多いモバイルオーダーを開発している企業だと思われがちですが、All in One Restaurant Cloud として、POSレジやハンディ、キッチンディスプレイなど飲食店のオペレーションに必要なプロダクトを複数開発しています。今後もすべての飲食のインフラになるべくプロダクトの開発・事業の推進をしている企業です。
ユーザーヒアリング
どんなプロダクト事業でも大事なことは『顧客志向』だと思うのですが、ダイニーのプロダクト開発も同様に、圧倒的顧客志向を根幹にもっています。
これは、ダイニーのValuesを言語化した”パンチライン”にも表れています!
ダイニーではユーザーを深く理解するために、データ分析をあらかじめしたうえで、ユーザーヒアリングを行っていました。
※参考引用(https://speakerdeck.com/tumada/kasutamamanianinarou?slide=28)
伝統的な顧客調査の方法として、顧客に直接質問し、フィードバックを集める方法が一般的です。また、ユーザーデータをログや分析して、顧客の体験を効率的に分析する手法もあります。
ですが、伝統的な調査には限界があります。ユーザーヒアリング・データ分析からの推測と、実際の使用中の挙動が一致しないことが多々あるのです。この上で、言葉にならないユーザーの情報がある事にきがつきました。
その1 「ユーザーに答えを聞くな!」
インタビューやアンケートは、ユーザーの感想や意見を直接聞く方法として一般的ですが、
ユーザーヒアリングにはまま問題があるかと思っています。
[https://speakerdeck.com/tumada/kasutamamanianinarou?slide=43 by Takaaki Umada / 馬田隆明]
ユーザーのことを理解していても、ユーザー自身が自身の事を認識していないケースがありました。
例えば、ユーザーは以下のような理由で実際の行動と異なることを言うことがあります:
記憶の曖昧さ: ユーザーは自分の体験を正確に思い出せないことがあります。実際におきた事象をそのまま記憶して伝えられるユーザーは多くありません。
社会的望ましさバイアス: ユーザーは質問者に対して良い印象を与えようとして、意図せず本音を隠してしまうことがあります。肯定的な意見が多くなってしまいます。
自己認識のギャップ: ユーザー自身が自分の行動の理由を理解していない場合があります。
これらの理由から、ユーザーからの言葉だけでは真のインサイトを得るのが難しいのです。
その2「質問をするな、動画をとれ!」
次に重要なのが、「動画撮影」です。
ユーザーが実際にプロダクトを使用している様子を動画で記録することは、より正確なフィードバックを得るためにとても強力な手段です。
その利点として
行動のリアルタイム観察: ユーザーの自然な動作や反応をそのままで観察できます。使用中の迷いや躊躇、意図しない操作などが明確に拾えます。
非言語的なフィードバック: 表情や身体の動きなど、言葉では表現しにくい感情や反応を捉えることができます。
後からの詳細な分析: 動画を何度も見返すことで、見落としていた細かいポイントを発見することができます。また時間の計測も同時に行えます。
その3 「ケーススタディ: 動画フィードバックの成功事例」
レジのオフライン機能の実際のユーザーヒアリング
開発上のテストは完了させたうえで、実際の店舗の環境でもレジのオフライン機能が活用できるのか実地検証の場を設けていただきました。
その際に、実際のオープン前の店舗にお邪魔して、店長様にさわって頂いている様子の動画を撮らせて頂きました。
この動画により、口頭では「なるほどなるほど」と仰っていただきながら、実際の手つきは迷いがあり、次の行動がすんなりいかないケースが動画に多々残っていることがわかりました。
また、「機能する」のと「実際に店舗でユーザーが使える」に、大きな乖離があることが発見できまして、UXの磨き込みをしないと運用に耐えない、ということがわかりました。
実際の処理時間がどのくらいなのか、動画から何度も確認することもできます!
キッチンディスプレイの店舗利用方法の動画調査
飲食店のキッチンで使われる、紙で出すキッチンプリンターではなく、ディスプレイで注文状況が管理できるプロダクトです。
店員さんへ使い方ヒアリングをした場合は問題なさそうでしたが、データを分析した結果、あまり使われていないようでした。
店舗に了承をいただき、キッチン内のプロダクトが見える位置に定点カメラを置かせてもらい、実際の運用をしている状況を録画させていただきました。
これにより、想定をしていたプロダクトの使われ方をしておらず、データ分析の視点が足りていなかったことが判明しました!
おみくじ機能の実地店舗での動画
モバイルオーダー画面に、全員参加型のゲームをリリースしたその日に社員6名で店舗にお邪魔して、実際にゲームを試してみました。
その際の実際の利用状況を店舗の方に了解を得た上で、録画させていただきました。
実際にこの日に表示のエラーが確認されたり、細かい体験の不快感があったため、デザイナー、エンジニアに動画を通してフィードバックをすることができました!
まとめ
プロダクトの改善において、ユーザーのフィードバックは欠かせません。
しかし、ヒアリング・データにだけに頼るのではなく、実際の使用状況を動画で観察することで、より正確で有益なインサイトを得ることができます。
次回のユーザーテストでは、ぜひ「 質問するな、動画を撮れ!」というアプローチを試してみてください!
ユーザーに動画撮影を最初依頼する際にはちょっと勇気がいりますが、そこは、頑張ってください。
参考にさせて頂いた資料:
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