未来=考え方が舞台の最終面接
面接では皆さんのこれまでの様々な経験や性格、能力を聞かれます。
大学での専攻、学業以外の取り組み、長所、短所、人から見られる自分像など…
そして面接も進み、3次面接や最終面接になった時、それまで通り自分の経験談を整理して臨んだところ、思わぬ質問に固まってしまったという経験をこれまでの学生からよく聞いていました。
それは面接する企業側の声からしたらこのような感じです。
「自分のこれまでのことは話せるが、これからのことが話せない学生が増えている」
「自分の強みは理解しているが、それが志望する職種にどう活かせるか考察できていない」
「当社の特徴や現在の強みは知ってくれているが、当社や業界のこの先を分析できていない」
これらは自分が過去に経験してきたことや現時点での企業情報については話せるが、これから先の自分や企業のことが話せないという問題。
それは一言でいえば「考えていない」ということを指します。
過去の経験や今ここにある事実は考える必要などありませんよね。
なぜならそれらは既に実例、既出のものであり、実際にあったことを頭に入れて整理すればいいだけの話です。
しかしこれからのこと、未来のことはどうでしょう?
分析したり、展望したり、目標を立てたりなど、新たに「考える」ということが必要になってきます。
「最近の若者は自分で考える力が弱くなっている」とは社会から聞こえてくる声。
実はこの考える力が近年、就職活動における盲点の一つになっていて、学生間でも大きく差が出るポイントにもなっています。
就職活動はこれまでの学生時代のゴールではなく、これから社会へのスタートラインに立つ活動だと捉えたとき、もし皆さんが採用担当者だったらなら、過去と現在しか話せない学生と、未来を考え展望できる学生のどちらの学生が期待できるといえるでしょうか?
そんな意味でも学生自身の考える力の有無や考え方を知るには「未来(入社後)のことを質問すればいい」ということも、採用企業では一般的な認識となっています。
以下、過去の整理ではなくこれからを考える力を問う代表的な質問をご紹介します。
ぜひ参考にして、一度、自分自身の“考え方”を整理してみてはどうでしょうか?
「当社で何がやりたいのか?」
「自分の何が仕事の何に役立つと考えているか?」
「5年後、10年後どんな自分になっていたいか?」
「当社や当業界の将来をどう展望しているか?」
「当社の課題は何で今後どうあるべきだと考えているか?」
「日本の将来をどう展望しているか?」
「自分にとって働く目的は何か?」
「仕事をする価値は何であると考えているか?」
以下、これはある大学で何年か前に「仕事の価値」をテーマに講義させていただいた私なりの仕事に対する考え方ですが、もし参考になればと思い紹介させていただきます。
仕事とは自分の人としての成長のステージである。
経済は市場原理に基づき、買い手・払い手の満足を得られるものをアウトプットし、その満足が対価として収入になるという仕組みになっています。
商売として当たり前のことですが、その当たり前のことが実に上手く社会を作り上げているのです。
なぜなら相手の満足を得られることで対価を得られるということは、常に相手の立場を考える必要があるからです。
相手が何を必要としているのか?
何を提供・発揮すれば満足してもらえるのか?
そう真剣に考えれば考えるほど「他者尊重」「相手本位」の姿勢が身に付きます。そして、その姿勢が相手との関係を重視する協調性の醸成にもつながります。
このように経済は相手のために自分ができることをアウトプットすることで対価を得られる構造なのですが、その相手とはお客様のことだけを指しているのではありません。
自分にとっての相手・買い手とは、自分が所属する会社そのものも指しています。
お給料は会社が自分に払ってくれます。
会社そのものも自分がアウトプットを行なっていく場なのです。
会社は自分に何を求めていて、自分は何をアウトプットできるのか?
足りたい部分はやはり身に付けていかなければなりません。
そうやって自分自身もまた他者尊重、相手本位の姿勢を磨き、立派な社会人として成長を遂げていくのです。
最終面接では未来に対する皆さんの考え方を質問されることでしょう。
皆さんが仕事というものをどれだけポジティブに捉え、どれだけ自分の成長のステージだと捉えているのか?
そして「君には何を期待したらいいの?」とも質問されることでしょう。
学生時代はお金を払って欲しいものを得るインプットの世代、社会人は収入を得るためにもアウトプットする世代です。どれだけアウトプットできる力や考え方を持っているのか当然のごとく訊いてくるのです。
自分の何に期待してもらえるのか?
そのためにも自分の能力は仕事にどう活かせるかと考えるのか?
また自分のことだけでななく、これから当事者の一人となろうとしている企業の今後も展望し、あるべき未来を話せるように準備してほしいと思っています。
「そんな君なら会社の未来を託せる」
この企業からの声こそ、企業から必要とされ握手を求められる瞬間です。
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