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【書評】絶望と苦悩の職場からのブレイクスルー

今回は以下の書籍の書評だ。

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こちらを執筆した時点では、Amazonにレビューが見当たらないが、恐らくすごすぎる本だからだろう。一点だけ学べた本はレビューしやすいが、学びが多い本は熟読してからでないとレビューしにくくて、最後はめんどくさくなってレビューしなくなる。そんな本だと思う。つまり、学びの塊なのだ。

著者の鈴木さんは統計の超プロであり、その方が組織分野に携わり、パーソナリティー心理学をガチで研究した。僕は20年来のファンであり、著作は全購入しているほどだ。パーソナリティ研究の結果は、ワークプレイスパーソナリティー論として出版され、昨年HR系の賞を獲っている。

その次作であり、より職場の現実に適用させやすいように書かれた実学の本である。これだけで涎が出てしまう。

全五章はいずれも濃密で、その章の構成も考え抜かれたものだ。

僕は、個人が成果を出すためには、職場環境の問題の解決が欠かせないと考えている。そうしないと、ブレーキとアクセルを全力で踏むと、エネルギーだけが浪費されるかのようなことになる。

取り除いたり、関わらないことが最良のことも多いのだ。具体的には、「ダークトライアド」と呼ばれる3つの闇の性格がある。サイコパス、ナルシスト、マキャベリズムというとご存知の方も多いだろう。英語では正確にはサイコパス、ナルシシスト、マキャベリアニズムという。詳しい説明は割愛するが、アクセルを全開で踏み込むためには、彼らとどう向き合うかを理解しておくことが欠かせない。

(余談だがトップ画像は「サイコハス(西湖蓮)」だ。)

次に、職場内の人間関係についてだ。ここでは、仮想的有能感や自尊感情、HSPといったものが書かれているが、私が知らず、面白いと感じたのは「存在脅威管理理論」だ。

私見だが、人生100年時代で、年齢差別である年齢定年のボーダーがなくなると、本書にある通り、職場と死が近接し、職場で死を迎えることも増えてくる。その老後がない時代には必須の理論である。特に、ジョブ型は存在脅威を助長するという誰もがなんとなく感じていることも言語化してくれている。

冒頭に書いたように、僕自身がこの本のすごさを書ききれるとは思えないので、諦めて途中までを書いたことで、なんとか書評らしきものができた。以降の章、及び全体のまとめについては自身で確認してほしい。損することのない名著だ。



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