信用と信頼、そしてラポール(2)
今回は、前回の信頼と信用の話の続き。
ラポールという言葉がある。Rapportでラポールと読むからフランス語だろう。
調べると原義は橋をかけることで、心理学用語では、カウンセリング時のセラピストとクライエントの信頼関係を指すとされる。
ラポールの形成という言い方で、管理職が評価の面談をする際などに何かを行うことで信頼関係を構築したりすることが推奨される。
ただ、ここで信頼関係というのが、前回の信頼の意味とどうにも合致しないのだ。
例えば、積み上げた信用もない相手と信頼関係を構築できるわけもない。
初対面などでのラポール形成は、ラポールの原義の通り、「こいつのいうことを聞いてやってもいいぞ」というレベルの文字通りの関係に橋がかかった状態なのではないだろうか。
このラポールを更に転用して、傾聴する際にはまず信頼関係を構築して、、、ということがある。
それは無理筋だ。信頼関係は結果だ。傾聴の結果、橋がかかり、信頼関係ができる。
少しアイスブレイクをしてラポールを形成というのは、あくまでも橋がかかった程度で、それを渡りきってもいないところで信頼関係が築けたとはいえないだろう。
ということでよく調べたら関係が生まれるといった程度の言葉らしい。
関係が結べたら信頼関係というのはさすがに無茶だと思う。
ラポールは働きかけによって、少し接点が生まれることだ。信頼関係はラポールそれものではなく、ラポールを発展させたものなのだと思う。
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