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それ、何も言ってなくない?

朝から雨が降っている。雨はあまり好きではないのだが、朝から降ってもらえると分かりやすくて楽だ。

僕は、夕方から雨が降るパターンが苦手だ。正確にいうと、そういう日の天気予報でのセリフが嫌い。「念のため折り畳み傘を持っていくと安心でしょう」というやつ。

この言葉は、何かを言っているようで何も言っていないと思うのだ。折り畳み傘を持っていれば安心って、そりゃあそうだろう。そんなの僕でも言える。気象予報士が言うセリフではないはずだ。

クレームを恐れてなのか、自分を守るためなのか。あまりにも配慮しすぎた言葉はもはや意味を持たない。存在していないことと同じだと思う。

もちろん僕には想像できないような責任感とプレッシャーがあるのだとは思う。気象予報士として、全国ネットで発信することの重さを、僕は知らない。だとしても、やっぱり「念のため折り畳み傘を持っていくと安心でしょう」は納得できない。

「今日は傘はいりません!」とか「今日は傘必須です。大雨なので折り畳み傘ではなく、大きな傘を!」とか言ってほしい。

言葉は届けるためにある。届かせたくない言葉は発さない方がいい。黙るときは黙る。しゃべるときは全力で魂をぶつける。そんな人間でありたい。


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