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個人事業主の社保削減スキーム。けどちょっと恐い?

最近よく聞くようになった個人事業主の社会保険削減スキームについてお話ししようと思います。

本当にここ最近で聞くようになったので、どういう仕組みなのか知識を入れておいて損は無いと思います。

とっつきにくいところなので小説風にしてみました。
※これが小説と言われたら怒りますよね。笑

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フリーランスの僕のところに一本の電話があった。
いつもの営業の電話だろうと思いながら出てみた。

「あなたの社会保険料削減できますよ!」

ああ、またこれ系の電話か。

「法的には問題ないですよ!一度話しに伺いますよ!」

本当に法的に問題がないのか一回ちゃんと聞いてみてツッコミどころがあればおもっきりツッコミんでやろう。

『わかりました、話を聞かせてください。』

そうしてとある日。
挨拶をそこそこに、本題へ。

「社会保険料を減らすためには、まず私の会社に社員として入社してもらいます。そうして、私の会社を通して社会保険に加入します。」

なるほど、社会保険というのは分解すると【年金】と【健康保険】で、これは全員が加入しないといけないもの。

フリーランスの人であれば
【年金】は国民年金。
【健康保険】は国民健康保険になる。

逆に会社員だと
【年金】は厚生年金。
【健康保険】は健康保険(協会けんぽ)となる。

この違いは、フリーランスの場合は
国民年金=これは定額今だと16,000円ぐらい。
国民健康保険=これはフリーランスの利益によって金額が増減する。

会社員の場合は、
厚生年金も健康保険も、もらっているお給料によって金額が変わる。

で、フリーランス兼会社員の場合、
会社員で社会保険を加入していれば、国民年金と国民健康保険は逆に入れなくなってしまう。
そのことを逆手に取って少額のお給料を発生させれば、その金額に対しだけ社会保険料が出る。と。

『ただ、それってあなたの会社からすると架空人件費になるのでは?』

「いえ、本当に少し仕事をしてもらいます。と言っても毎月2つぐらいのアンケートに答えてもらうようなものですが。」

なるほど、これで一応は働いている"程"を作っているんだな。

『じゃあ私は一度、本当にお給料はもらえるのですか?』

「もちろんお給料はお支払いします。通常のお給料のようにお支払いします。」

『それで、私はこのスキームを使うことによって社保は削減されますが、その見返りとしていくらあなたにお支払いすれば良いですか?』

「はい、一応フリーランスのあなたに対してコンサルティングを行なっているということで、コンサルフィーとして60,000円いただきます。ちなみにこれは経費で落とせますよ!」

全貌がようやく見えてきた。
まず私のメリットとしては
国民年金→厚生年金
国民健康保険→健康保険(協会けんぽ)
に変わる。
そして、その厚生年金と健康保険は給料から算定される。

そう例えば、給料を本当に少額30,000円とかでもらう。
そうすると、社保はこの30,000円の給料に対してかかる。
その額は、12,000円ぐらい。

30,000円から社保引かれて18,000円ぐらいは一回もらう。
コンサルフィーとして60,000円ぐらい支払うことになる。
差し引きして、42,000円支払いが外部に出てしまう。
ただ、社会保険はもうその精算に含まれているので、今仮に国民健康保険とか国民年金が42,000円以上支払っていれば、このスキームを使った方が安くなるのか。
それプラス経費になると。

相手のメリットとしては
売上60,000
人件費30,000
社保会社負担分12,000
利益18,000
となる。
それプラス、アンケートでの売上が他からもらうという感じか。

『お話しありがとうございます、もう一度考えてみます。』

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という話しなのです。
ただ、これは法律上は確かに問題はなさそうだが、ただ、法が意図して問題がないとしている訳ではなく、法の抜け道として今はまだ、たまたま大丈夫なだけな気はします。

そしてもちろん突っ込まれないように体裁は整えていますが、
やっていることは無理矢理雇用契約という体裁をとっていて、無理矢理コンサルフィーとしているということで、リスクは少なからずあるのかなと思いました。

正直疑問なところはありますね。

いずれにせよ、こういったものをやるかやらないかは全部自己責任ですのでご注意ください。
※なんかあった時は基本誰も助けてはくれないですよ!

形を変えたマイクロ法人というお話でした。

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