【図解】”スタッフの姿”と”カウンター構成”は空間を支配する
先日、鮨mという
寿司職人とソムリエが互いの感性を
融合させた素晴らしいお店を体験した。
そこでの体験は、
食事〜人のふるまい〜空間など
すべての体験が連動していて感動。
今回はそんな、
人の立ち振る舞いと空間構成をつくる
カウンターの関係について記録。
▼1.寿司職人×ソムリエ:2つの職人専用カウンター
まずはその鮨mについて。
コンセプトは
寿司と日本酒・ワインのマリアージュ。
白は当然ながら赤ワインも合わせてしまう
そんなペアリングが楽しめるお店である。
そのコンセプトを象徴するかのように
寿司職人とソムリエの2人のために
それぞれカウンターが設計されている。
手前に寿司カウンター、
その後ろにソムリエカウンター。
白い調理服でキメた寿司職人と、
黒いスーツにタイでキメたソムリエが
それぞれカッコよく立っている。
断面イメージ図
後ろのソムリエカウンターは少し高めにつくられており、客席から立体的に見えるような設えとなっている。
空間・インテリアも上質で
安定した雰囲気、環境が用意されている。
シンプルな設計、操作で
ここまで人や食の印象をつくることが
できるのかと、大変感動した。
▼2.アップルストア:カウンターレス
有名なので
述べるまでもないかもしれないが
フレンドリー感を演出すべく、
全員ブルーのTシャツを着用。
空間や製品の高級感とのギャップは
かなり目立つ。
構成として
所謂受付カウンターはなく
どこでもスタッフがiPadで対応。
(Genius Bar は別で)
人数も大分多いイメージがあり、
空間にバラバラと立っていて
いつでも誰にでも
フレンドリーに接してくれという感じ。
国籍も多様でグローバルな雰囲気。
イメージ図
ザ・カウンターなるものはなく
フラットな構成
形式ばったカウンターなるもので
対面するより、気軽隣り合って
フレンドリーに話をしよう、
という姿勢がよくわかる。
▼3.よくあるホテルフロント:ザ・カウンター
従来型のホテルのフロントの構成。
長めのザ・カウンターがホテルエントランス
に向けて構えていて、
ピシッとキメたスーツのスタッフが
複数人立っている。
ようこそいらっしゃいませ。
と、しっかりお出迎えしてくれる
スタイル。
イメージ図
長いカウンターとスタッフによりできる空間。
方向性を強く示すカウンター形式により
気配り(監視)空間が生まれる。
このカウンター+キマってるスタッフ
により作られる空間はなかなか厳格。
お客様をいつでも迎えられるように
しっかり目を配っている場所であり、
逆にいうと、
ソファやテーブルがあっても
どこか見張られているようで
ガッツリつくろげるような場所ではない。
▼4.カジュアルホテル:アイランドフロントカウンター
例えをあげると
ハイアットセントリック銀座の
フロントカウンター。
アイランドテーブル型のカウンター。
宿泊客と対面することもなく、
隣でカジュアルに対応。
スタッフもチノパンにスニーカーと
カジュアル。
ザ・カウンターとは異なり
その空間に対して厳格な印象はなく
見張られてる感も少ない。
イメージ図
方向性を示さないカウンター
ラウンジと共存するなら
このスタイルがマッチしそう。
ラウンジ的な空間と兼用するなら
このスタイルが向いていそうである。
旅館業法の大元も
フロント設置義務はなくなったし
今後はザ・カウンターよりは
このようなスタイルが増えそう?
コロナにより対面を避ける傾向も
後押しするのだろうか。
東京都産業労働局は
観光経済力強化事業として
「新型コロナウイルスの感染防止だけでなく生産性向上にも資する先進的な取組」への補助を初めているもよう。
このようなフロントカウンターの
あり方も含まれる可能性もあるみたい。
▼5.まとめ
いくつかの事例をもとに
スタッフの立ち姿とカウンター構成について
整理してみた。
改めてまなべるノウハウとしてまとめると、
☑︎カウンターという構成がスタッフの専門性を際立たせることができる
☑︎カウンターがないということで形式的な対面はなくなる。
☑︎方向性を示すザ・カウンターは監視的な影響力がある
☑︎方向性を示さないカウンターは場に緊張感をつくらず、溶け込むことができる
といったところである。
今回はたまたまカウンターが
気になったので意識してみたが
スタッフの見え方により
その空間の印象が作られる仕組みは
まだまだありそう。
第二弾として整理次第、ぜひ発信したい。
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