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今まで泊まった客室の”天井高”をひらすら調べてみた

トコトン調べてみたらシリーズ第二弾!
前回はひらすら”客室数”を調べていたのですが今回は天井高を調べてみました。

↓前回の記事はこちら

広さの指標って基本的には床の広さだと思いますが、天井も気になるよねー、ということで早速みてみましょうー。

⚫︎トコトン調べたデータと考察

また国土交通省のデータのようだと評されてしまいそうですが、とりあえずご覧ください。ドンっ!

注1:宿泊したホテル客室毎に記録したため、同じホテルが2つ以上並ぶことがある
注2:実測ベースなので、あくまで大よその数値
注3:1番高くなっている場所での計測記録
注4:昔ちゃんと記録していなかった頃のホテルや内覧程度で未計測のものは含んでいない
注5:一部宿泊はしていないが、客室を内覧させていただいた施設も含む
注6:高い方が良い、低いのは悪いということではない!

大切なことなので繰り返しますが、必ずしも高い部屋が正義!ということではありません。低くても素晴らしいお部屋もある。(後ほど述べます)逆に高くてもイマイチな部屋だってある。

ちなみに、あまり平均値に意味はなさそうですが、約2.8mでした。高い!(高いホテルに引っ張られた印象。

一般的なマンションで2.4〜2.5mくらい、古いものだと2.3〜2.4mくらいの感覚だとお考えください。それでは少し中身を見てみましょう。

 ▼元々別の用途だった建物

元々別の用途だったものを変えることを”コンバージョン”と言います。(リノベーションは用途変更に関わらず、改修することを指します)色分けするとこんな感じ。

ピンク色がコンバージョンホテル

元々住宅の用途である場合はほぼホテルと同じだったりするものも多いですが、このコンバージョンされたもホテルにはずば抜けて天井が高いホテルがあったりします。

🏨元銀行のHotel K5 → 4.6m!
🏨元中央電話局のエースホテル京都 → 3.6m !

ホテルとして作ろうと考えたら思いつかないような構成。コンバージョンならではの空間構成が活きています。4.6mとか、部屋2個積めますよね...

Hotel K5 高さを可視化するような棚やカーテンの構成がまた上手い…。

 ▼ラグジュアリー系

ラグジュアリー系(定義むずかしいけど)がどの程度を狙っているのかチェックしてみます。 

ピンク色が(私見の)ラグジュアリー系

基本的に少なくとも2.7m以上はキープしている印象がありますね。ブランドによっては高さを明確にルール決まっているところもあるようです。

箱根香山 the bar hotelのスイートルームはラグジュアリールームと公式HPにもあったので、プロットしてみましたが2.4m。でも85㎡もある大部屋なので低さは全然気にはなりませんでしたね。

4m超えに坐忘林がプロットされていますが、斜め天井のお部屋の一番高いところの情報なので実際はここまで高くはありません。(それでも十分な高さで計画はされていますが)

坐忘林 一番高いところで4.06m

 ▼バンク(2段)ベッド系の天井高

数は少ないですが、泊まったことがあるバンク(2段)ベッドスタイルに注目してみました。

ピンク色がバンクベッド

・OMO5 東京大塚
・sequence MIYASHITA PARK

いずれも2.9mと十分な高さが確保されていて、十分快適。

OMO5 東京大塚 / やぐらルーム
sequence MIYASHITA PARK / bunk bed4

個人的に驚きだったのはこちら↓↓↓

THE LIVELY 東京麻布十番 / ライブリーロフト

HP上でもしっかり魅せ部屋として機能しつつ、滞在しましたが実際開放性も高かったお部屋。

この部屋の天井高は泊まったバンクベッド部屋では最小の2.6mでした。3mくらいあるのかと思っていました…)上手い!これぞ設計力!ベッド周りの作り方など勉強になります。

ちなみに自治体によっては旅館業法上、2段ベットは高さの規定あったりします。またこれは別の機会に。

 ▼天井アラワシ系

天井を綺麗に仕上げずに剥き出しにしている状態を"アラワシ"と呼びます。コンクリートそのまま!みたいなやつですね。

天井を張るとその天井材や下地、設備の影響により厚みが必要になります。アラワシにすることで高さを確保することが可能という意味で調べてみました。

ピンク色が天井アラワシ

2.7m〜3.2mあたりに分類されています。いずれもラグジュアリー系ではなく、宿泊特化型に分類されるホテルですがこの高さを確保できているのは天井アラワシも効いていそうですね。

そして図にして気がつきましたが、アラワシにしているホテルの母数は少ないですね。ホテルは綺麗に仕上げられているという印象が一般的に根強いのかと思います。

アラワシスタイルで上手く演出しているホテルがもっと増えてくると面白そうです。

ホテルモーニングボックス 大阪心斎橋
>>> "アースフレンドリールーム"というコンセプトと天井アラワシの相性◎

⚫︎客室の天井高は何故教えてくれない?

そもそも、客室の天井高さって調べてもあまり載っていませんよね。(え?調べたことない....?)

会議室や結婚式場とかは大体調べたら記載あったりしますが、ホテルの客室はアピールしたい場合を除き、なかなか出てきません。

とあるホテルを含む複合施設を調べてみたら、他の用途について(オフィスや店舗、ロビーなど)はしっかり天井高の明記がありましたが、ホテル客室だけ(意図的に?)かいてない...ということさえありました。

・オフィスや結婚式は設備の問題もあり必要な情報なのかも
・ホテル予約サイトにルール上書く必要がない
・数字を伝えてもあまりピンとこない
・ネガティブに伝わってしまいそう

などなど想像はつくのですが、設計の観点でも、ユーザーとしても気になってしまいまして...

⚫︎”高さ感”は絶対値で決まるものではない

身長150cm程度の人と2m近くの人では明らかに印象は異なるでしょうし、上足か下足かだけでも小さな印象が変わることだってあります。(靴の厚みは馬鹿にはできない)

家具がどんなものか次第でも大きく印象も変わるでしょう。要は、相対的に高さ感覚はきまるもの。よって、一概に天井高さが高ければ開放的とも言い切れません

自宅で少しこの天井高さについてはよく考えて設計したのですが↓↓↓

リノベプロジェクト:ジマルーム

中古マンションをリノベーションだったため、天井アラワシにしても2.44mしか確保できない条件の中、工夫をしました。

・家具はなるべく低く圧迫感がでないようにする
・床でくつろげる場所をつくることで、相対的に高さを感じやすくする

など、このあたりは住んでみて成功したなと感じています。参考にしたホテルもいくつかあるので、またぜひ紹介したいと思っています!

では今回はこの辺りで。よろしければマガジン登録も宜しくお願いします🙏

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