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#4-① 重ねて重ねて重ねまくる/ 詩「ゆれる」

文体の舵をとれ
練習問題4
問1   語句の反復使用
 一段落(300文字)の語りを執筆し、そのうちで名詞や動詞または形容詞を、少なくとも三回繰り返すこと。

 

 そんなにもゆれてゆれてゆれているのはなにかと聞いているのです、と僕が云うと、足元も、目の前も、あなたの顔もです、と聡子が答える。
 ゆれてゆれてゆれているのはあなたのこころではないのですか。混乱のあまり、僕は聡子の言葉を執拗に追ってしまう。聡子は、あなたには何もわからないと、おおきなため息をついた。
 いまここが、ゆれてゆれてゆれているのです、そのことが不安で不安でたまらないのです。
 そんなふうにしか表せないこころを遠ざけて、僕は書生暮らしを選んだのではなかったか。他家へ嫁いだ聡子が今は揺れることなく暮らしているだろうか。本当は揺れていてほしいと願う我儘をどうにか汽車に残して、僕はなつかしい駅舎へと降り立った。


あ。好きなように段落わけしてしまった…。


おまけ。

反復は詩ではよく使うよね、とクモハさんから話しかけてもらって、
先に詩ができました。

「ゆれる」

ゆれてゆれてゆれているのは
なにかと聞いているのです
ーー足元も、目の前も、あなたの顔もです
ゆれてゆれてゆれているのは
未来ではないですか、むしろ今なのですか

あなたはなにもわからない
いまここが、ゆれてゆれてゆれているのです、そのことが不安で不安でたまらないのです

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