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詩「百日紅の夢」

             こい瀬 伊音

すてきな
すてきな時間が文字となって
だいすきなひとたちのあいだを流れてゆきます
これは
夢ですか

百日紅が
わたしをご覧なさい
と云いました

ふさ

フリルの間を風が通ります
この音がしあわせでなくて
なんでしょう

ふさ

ずっとずっと眠っていたいのです
そうわがままをいってみたのに

ふさ

もうずっと
目覚め
目覚めていたのでした



………


百日紅いろんな夢を見た後の   宮月中
ずつと夢ずつと夢ゆめさるすべり 田中目八


小説家宮月中さん、俳人田中目八さんと。
それぞれの句を味わうすてきな会話から
誕生した詩です。

やさしくて
これがしあわせじゃなくてなんだろう。
そんな時間を共有できた記念に…  

ドレスとやともに咲きをり百日紅  いと

2021.06.28



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