ある晴れた日に
てのひらで砂を掻いて
さらさら
さらさらと
くるぶしまでを埋めました

すこし動けば
ゆびの間をくすぐって
くすぐって
砂は下へ落ちる

そのつぎの日も次の日も
砂を掻いて
さらさら
わしわしと
足首までを埋めました

しっとりとぬるく、すこし黒い

やがて雨が降る
潮が満ちる
波がその指を広げ
わたしを噛みにくる

だれか
私の足にもっと砂を
もっと深く
一歩も動けないように

また
海が膨らむ

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