マガジンのカバー画像

舵とり練習帳

8
「文体の舵をとれ」の練習問題へのとりくみをアップしていくマガジンです。
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

#5 簡潔性

#5 簡潔性

 一段落から一ページ(400~700文字)で、
形容詞も副詞も使わずに、なにかを描写する語りの文章を書くこと。会話はなし。

 
 マイページから「ご解約はこちら」の表示をタップすると、文字列が続いた。
「ご解約の前にご確認ください、ご使用方法は合っていますか、説明を再度読んでから効果をご確認ください」
 確認確認、どれだけこちらに不注意の責任を押し付けるのだろう。マイページの中をめぐっても解約に

もっとみる
#4-②構成上の反復

#4-②構成上の反復

文体の舵をとれ
練習問題4
問2
語りを短く(700~2000字)執筆するが、そこではまずなにか発言や語りがあってからそのあとそのエコーや繰り返しとして何らかの発言や行為を出すこと。

 ジジョジジョジジョジジョジジョ。8年目の声はねばつくほどで、はやくおわらないかなあと思う。
 鍵は隠しておいたのにどんな嗅覚が働くのか見つけ出して車に乗ろうとしているところを、すんでのところで捕まえる。
「お

もっとみる
#4-① 重ねて重ねて重ねまくる/   詩「ゆれる」

#4-① 重ねて重ねて重ねまくる/ 詩「ゆれる」

文体の舵をとれ
練習問題4
問1 語句の反復使用
 一段落(300文字)の語りを執筆し、そのうちで名詞や動詞または形容詞を、少なくとも三回繰り返すこと。

 

 そんなにもゆれてゆれてゆれているのはなにかと聞いているのです、と僕が云うと、足元も、目の前も、あなたの顔もです、と聡子が答える。
 ゆれてゆれてゆれているのはあなたのこころではないのですか。混乱のあまり、僕は聡子の言葉を執拗に追って

もっとみる